クラレ/溶融紡糸で酢酸セルロース繊維/米スポーツ素材展で披露

2023年07月26日 (水曜日)

 クラレはこのほど、独自の溶融紡糸技術によって溶剤不使用で製造する海洋生分解性酢酸セルロース繊維を開発した。27~28日に米オレゴン州ポートランドで開催されるアパレル・スポーツ素材見本市「ザ・マテリアルズ・ショー」で披露する。

 今回開発した酢酸セルロース繊維は、海水中での生分解性があるほか、従来の有機溶剤を使用する製造方法と比較して製造時の温室効果ガス(GHG)排出量が少なく、環境負荷低減につながる。十字断面など異形断面化も可能なため、原糸形状による機能性を発現させることもできる。

 展示会では、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)繊維「エプシロン」や面ファスナー「マジックテープ」のリサイクル原料使いタイプなどを紹介する。エプシロンは、ポリエステルと比較して1・8倍の速乾性があり、撥水(はっすい)加工が不要なため加工剤による環境負荷を低減できる。マジックテープのリサイクルタイプは、バックコート剤不使用の独自設計と合わせて製造工程における二酸化炭素排出量を従来品比約30%削減する。

 そのほか衝撃吸収性繊維「スパンドール」や防滑繊維「フィブレスタ」、水添スチレン系熱可塑性エラストマー「セプトン」、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」など独自素材を多数紹介する。