クラボウインターナショナル/ベトナム生産を高度化/中・小ロットに切り替え
2023年08月08日 (火曜日)
クラボウインターナショナルは、OEM事業でベトナムでの製品オペレーションを高度化する。同国での製品生産は、大ロットと価格抑制に焦点を当てていたが、品質・価値を高めた製品を中・小ロットで生産するビジネスに切り替える。商社としての対応力を顧客に示し、製品事業の成長につなげる。
ベトナムでは、2012年にホーチミンに駐在員事務所を開設した。安定した生産背景を構築し、丸編み製品や布帛製品を生産してきた。近年はホーチミンの近代化とインフラ整備によって、日本向けの中・小ロットの生産が可能になり、縫製技術の高い製品の生産にも対応できるようになっている。
生産国としてのレベル向上に加え、中国一極集中のリスク回避の観点などから、ベトナムでのオペレーション高度化を決めた。ホーチミン近郊の工場を数件選定し、布帛製品と横編み製品に特化して展開する。工場は12、13件をピックアップしているが、布帛3工場、ニット1工場に絞り込んでスタートする。
各工場とも「手が奇麗」なことが大きな特徴とし、新しい設備で丁寧に縫い上げるほか、レーヨンをはじめとする縫製技術が求められる生地にも応じる。日本のほか、中国の生地を使い、広州市場生地も活用する。横編み製品は、イタリア糸を使って編み立てる。リンキングも対応する。
中堅・中小アパレルをターゲットにする。納期は3~4カ月と中国よりも時間がかかり、価格メリットも大きくなく、品質やロットで勝負する。店頭価格で、ワンピース1万~2万円、ジャケットで2万~3万円、ニットカーディガンで1万~1万5千円のゾーンが中心になるとみる。
同社が生産する製品全体の7%弱(数量ベース)がベトナム製。これを3年後には10%程度に高めたいとしており、今回の中・小ロット対応で伸ばす。これまでベトナムで行っていた大ロット生産については「バングラデシュにシフトしていく可能性がある」とした。