クラボウ/体調改善結果“見える化”へ/「スマートフィット」で
2023年08月09日 (水曜日)
クラボウは、作業者の暑熱作業リスク管理や体調管理、転倒・転落検知といった体調管理システム「スマートフィット・フォー・ワーク」で、改善結果を“見える化”し、より利便性を高める。同システムで取得されたバイタルデータ(脈拍、体温などの記録)から作業員一人一人の体力、暑さなど個人特性を客観的に数値化し現状を把握。企業の安全衛生活動を高める有効的なツールとして市場深耕につなげる。
スマートフィットは、Tシャツ型のスマート衣料によって着用者の生体情報と作業現場や地域の気象情報などを独自のアルゴリズムを使って解析するシステムとして、2018年からサービスをスタート。現場作業員の暑熱リスクや体調リスクをリアルタイムに通知し、現場のリスク管理をサポートしてきた。
20年にはTシャツだけでなくリストウオッチといったウエアラブルデバイスを選択できるサービスを開始。22年からはスマートフォンを介さずにデータの送受信ができるスマホレス型ウオッチも導入したことで「導入へのハードルが下がり、採用企業が増えた」。転倒・転落検知といった機能も追加するとともに、精度を高めてきたことで導入実績は昨年約60社から現状は約70社まで拡大している。
導入した企業から、その効果やデジタル技術で企業を変革するDX化による取得されたデータ活用を望む声を受け、7月末から新たに改善結果を見える化するサービスを始めた。企業や大学との実証を重ね、取得されたデータを基に「体力特性」「暑さ特性」「環境負荷」「生活リズム」「回復度」の5項目に対し客観的に数値化。各項目の評価結果を分かりやすくレーダーチャートで表示することで、改善策を取りやすくする。
これまでは夏場の体調管理の目的で導入が多かったが、新機能の追加により、体調管理や各個人の特性分析の活用などを目的とした年間利用の企業が増えることを期待。データを分析し「設備投資の効果を図る」といった使い方もできる。
ウオッチタイプであれば初期費用は1人当たり3万5千円で、利用料金は半年で1万8千円。大手企業を中心に本格導入に向け、試験的に中量的に採用しようとする動きが活発になっていると言う。
現在の機能を導入した企業からさらに意見を収集し、改善することで、スマートフィットを活用したバイタルデータのDX化の流れを構築。「仕事のやり方の改善、生産性の向上につなげる」ことで企業価値を高めるとともに、より安全衛生に貢献できる仕組みへと進化させる。