トンボ/首都圏向け物流拠点が稼働/東日本全域カバー構想も

2023年09月04日 (月曜日)

 トンボは1日、「東京物流センター」(茨城県笠間市)の稼働を開始した。拡大する首都圏学生服市場を管轄し、1年目に1250校、2年目に3500校分の物流を担う。5年後をめどに東日本全域をカバーする拠点へと拡張させたいとする構想も明らかにした。

 建物規模は、2階建て延べ約1万7千平方メートル、敷地面積約1万6千平方メートル。施設内で同日行われた竣工式で藤原竜也社長は「物流の2024年問題による納品リードタイムが課題だったが、ぎりぎり間に合わせることができた。注力している首都圏市場への商品供給能力が大幅に強化される」とあいさつした。

 学生服と体操着を中心とし、出荷個数は1年目3万ケース、2年目10万ケースで、扱い校数と個人セット数はそれぞれ1年目1250校5万5千人分、2年目3500校16万人分を計画。保管能力は年度末のピーク時に126万点が可能という。投資額は31億円。

 移管リスクを回避するため、3年かけて岡山県内にある玉野、紅葉台両物流センターから順次商品を移していく。BCP(事業継続計画)の観点からも東西2カ所の物流体制を確立できたことになる。

 来年以降、稼働状況を見ながら電子商取引(EC)の出荷にも対応し、3~5年内には自動搬送機の導入も検討中。3年目には売り上げベースで25%に相当する物量を担う。さらに藤原社長は「近隣での設備増強も含めて5年後をめどに東日本全域をカバーできる物流拠点にしたい」との考えを示した。

 茨城中央工業団地(笠間地区)に建つ同センターの当面の管轄エリアは、東京都、神奈川、埼玉、千葉、茨城各県。常磐自動車道の友部SAスマートインターチェンジに隣接しており、首都圏各地へのアクセスが良好。主な設備は垂直搬送機2基と加工用ミシン各種30台。縫製設備の設置は北谷ミシン(岡山県倉敷市)が担当した。個人ごとの裾上げや刺しゅう加工、セット組も行い、アソート管理システム、在庫管理システムで効率的な発送と納品体制をとる。従業員は地元採用を積極的に行い、当初13人、2年目19人体制。将来的には30人体制を予定する。