三起商行/ゴールドレーベルなど拡大/「ミキハウス」24春夏

2023年09月13日 (水曜日)

 子供服ブランド、ミキハウスを展開する三起商工(大阪府八尾市)は「ミキハウス ゴールドレーベル」などの24春夏企画をこのほど本社で開いた総合展で公開した。

 発売2年目の23春夏ゴールドレーベルは国内、海外ともに大きく売り上げを伸ばしている。中国や欧州を中心に店頭販売が好調で、国内では百貨店など常設売り場や外商、リゾートホテルにも販路を広げている。

 同ブランドでは日本の調達・生産背景を強調しており、これまでの海島綿使いに加え今季はシルク使いを強調する。

 象徴的な商品となるベビー用ドレスのほかストレッチ加工を施した絹糸で編んだメリヤス地使いのベビー服など多くの新製品をそろえた。

 羊皮や馬皮使いの靴のほか、メガネの産地、福井県鯖江で作ったサングラスなど周辺アイテムによるトータルコーディネート提案も進めている。ユーザーから要望が出ていた大人用のアイテムとして三河木綿を原料にした刺し子織り生地のトートバッグもそろえた。

 22年8月に価格改定した「ダブルビー」も当初は値上げの影響が出たがインバウンド、海外販売がけん引して順調に売り上げを伸ばした。同ブランドでは全体の7割程度が海外関連の購買となっている。

 海外ではキャラクターを大きくあしらった商品の人気が高く、これらを充実させたほか海外の大柄な子供に合わせたサイズ展開を進める。

 そのほかのアイテムキャラクターをワンポイント柄に用いたポンチョやスタイなど手に取りやすい価格帯での品ぞろえ、親子でのコーディネート提案も行う。

 総合展では、女児ブランド「チエコサク」などの新作、産院やホテルとの協業を進めている法人営業部の取り組みなども紹介した。

 スマートフォンの公式アプリを通じたネット通販との連携や、ユーザーフォロー、ユーザー同士のコミュニケーションの場「ミキハウスパーク」の提供なども新たに加わる。自社製品の3Dデータベース化を進めるなど、デジタル分野での体制充実を図る。

 上半期(2023年3~8月)売上高は前年同期比10%増で推移する。木村皓一社長は「新型コロナウイルス禍の間は無理をして売り上げを作っていた印象だが、今期(24年2月期)は余裕を持ってやれている」と話す。中長期的な政策として中国、欧州での販売が堅調なことから越境ネット通販も含めた海外の販売手法拡大に取り組む。