東レグループのCENTEX/ETXと“製販”で連携/生産品種の多様化推進
2023年09月20日 (水曜日)
インドネシア東レグループで、ポリエステル・綿混織物メーカーのセンチュリー・テキスタイル・インダストリー(CENTEX)は、同グループでシャツ用途の生機生産を主力とするイースタンテックス(ETX)との連携を強める。
ETXは、ポリエステル・綿混紡績、織布工程を持ち、定番シャツ地用生機を量産する。CENTEXも同じ、ポリエステル・綿混の織布工程を持つが、紡績工程は今年7月末で撤退しており、逆にETXにない自前の染色工程を持つ。130台ある織機のうち80台はドビー機で柄物、色物に強く、製織の規模もETXよりかなり小さいため小回りの利いた対応力がある。
同じポリエステル綿混織物を扱いながら異なる生産工程、特徴を持つ、CENTEXとETXとが生産、営業面で連携を強化することで、両社の強みを生かした顧客開拓、素材開発、新たなビジネスの創出を目指す。
現在、CENTEXは主力の欧州アパレル市場向けの生地販売で苦戦中。中国やタイから入る安価な生地の価格攻勢にさらされているのがその要因だ。同社は「相手も利益が出ないような投げ売りを仕掛けられており、戦いようがなく当面、回復は見込めない」と話す。
こうした状況を乗り切るために、CENTEXとETXの連携強化により生地の多品種化や高付加価値化を進め、現地で縫製までして、日本などの市場へ輸出するビジネスを拡大させる。
カジュアル、ユニフォーム、シャツといったさまざまなアイテムにはまる素材、春夏・秋冬といったシーズンに縛られない商材の開発・生産に力を入れる。まとまった数量が見込める商材を作ることでETXの製織工程への発注量増にもつなげる。
CENTEXの今上半期(2023年4~9月)の生産数量は前年同期比30%減。減収だったものの営業利益は新たな販路開拓やコスト削減策などにより改善した。
〈7月に紡績から撤退〉
CENTEXは今年7月に紡績事業から撤退した。当初、9月末(上半期)まで紡績設備を稼働させる計画だったが、自社で生産してきた糸の代替調達先が想定より早く確保できたことから生産終了を前倒しした。
年間生産数量は現地東レグループの紡績工程の中では最も少ない504万ポンド(17年12月末実績)。同社によると近年、半分以上の紡績糸は社外から購入していた。紡機は老朽化しておりコスト競争力が見込めず、特殊な糸を作る機械でもないため撤退を決めた。
今後は紡績設備を持つETXや東レグループ外の紡績会社から糸を調達する。