トンボ/8期連続増収も利益苦戦/23年6月期はコスト高響く

2023年09月26日 (火曜日)

 トンボの2023年6月期連結決算は増収減益となった。売上高は422億円で、8期連続の増収を達成。一方、燃料費や原材料費などコスト高の影響で利益面は苦戦を強いられ、4期ぶりの営業減益となった(短信既報)。スクール、スポーツの両部門で増収を確保したが、ヘルスケア、ビジネスウエアは減収となった。

 売上高422億円(前期比1・0%増)、営業利益14億1100万円(39・3%減)、経常利益14億2300万円(40・1%減)、純利益9億4千万円(41・3%減)だった。

 グループのスクール部門売上高は327億円(0・6%増)となった。性的少数者(LGBTQ)へ配慮する流れから、詰め襟服、セーラー服からブレザーへ刷新する動きが全国の中学校を中心に広がっている。これらの要因によって、前期を上回る制服モデルチェンジ(MC)校からの受注を獲得できた。一方、商品仕様が複雑化してきたことなどで、売上総利益率は低下した。

 スポーツ部門の売上高は69億2千万円(5・2%増)となった。MCでは、部活対応、マーチングウエア含め約280校を獲得。ウオームアップウエアのピストレや昇華転写プリント商品が貢献した。

 ヘルスケア部門の売上高は23億9千万円(3・2%減)。新型コロナウイルス禍で病院や介護施設の面会謝絶が継続したことから、入院セットレンタル市場が活況となり、患者向けニット病衣の売り上げが増えた。一方、人件費抑制などの影響でスタッフ向け衣料の販売が苦戦した。

〈今期は売上高433億円計画〉

 トンボは24年6月期連結決算で、売上高433億円、営業利益17億3千万円、経常利益18億3千万円、純利益14億円を計画する。部門別では、スクール336億円、スポーツ70億円、ヘルスケア25億円を目指す。

 売上高460億円を目標とする3カ年中期経営計画の2年目となる今期は、売り上げ拡大と利益確保の両立を目指し、エリア戦略の強化、差別化商品の開発、国内生産体制の強化、デリバリー体制の改革を推進する。