中国OEMの魅力再発見「AFF・東京2023」レビュー(上)/出展内容の幅広がる
2023年09月27日 (水曜日)
中国の繊維・ファッションOEM/ODM企業の展示会「第38回AFF(アジアファッションフェア)・東京2023」が20~22日、東京ビッグサイトで開かれた。主催のAFFが出展希望の増加に応え規模を拡大(約800社出展)したため、展示内容は多様性に富んでいた。
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紹興商帝貿易は、各種織物や寝具、日用品などの輸出入を行っている。今回の出展は寝具に焦点を当て、さまざまな機能性を備えた毛布などを打ち出した。
「遠赤外線重力ブランケット」は、遠赤外線の放射で体内細胞の水分子が活性化する。カバーを掛けると遠赤外線粒子ボールの重みでキルトが均等に体の表面にフィットし、ツボを優しく刺激して心地よい睡眠をもたらすという。
同社の取引の中心は欧米や東南アジアで、日本は全体の20%にとどまっているが、今後は日本市場の開拓に力を注ぐため、AFFに出展した。「日本の消費者の健康に貢献したい」と意気込む。
広州達旺服装は、資本が台湾企業の婦人服製造卸で、デザインから製造、輸出までの業務を一貫して担う。広州・番禺の自社工場は既存の取引先から「信頼性が高い」との評価を受けている。
ニット35%、布帛65%という内訳でアイテムを製造しており、主な供給先は欧米で、日本向けは全体の15%ほどだという。それでも日本のバイヤーに自社の生産体制をアピールするのは「日本の厳しい品質基準に対応できれば、そのノウハウは大きな強みになる」ためだと話す。
来場していたパキスタンの企業から量産の引き合いがあるなど、出展の成果を得ていた。
湖州緑科新材料は高性能繊維に特化したメーカー。繊維から糸、布帛生地、縫製までを手掛ける。江蘇、浙江、山東、河北の各省に工場を置き、多様な繊維を製造している。
東南アジア向けが多く、日本向けは少量に過ぎないが、新たな供給先を求めてAFFに初出展した。PLA繊維を使った糸と織物や温度調整機能を持つ糸などを通じ、品ぞろえの豊富さを訴求した。担当者は「日本は機能性素材のニーズが高い上、アウトドアブームの追い風でさらにチャンスが広がりそう」と期待する。
青島和佳誠貿易は、ホテルや病院のリネン用品などを扱っており、100%日本向けにビジネスを展開している。AFF初出展ながら、「日本産業規格(JIS)など日本企業との取引に必要な知識は持っている」と強調する。
ユニフォームの開発にも意欲を見せており、「大手メーカーの手が届かないニッチな機能性素材の提案から支援できる」。
今回の出展では来場者との対話を重視し、自社ブースで来場者と話し込む姿が目に付いた。「日中間は物理的な距離が近く、企業同士の交流は欠かせない。中国の経営者も今後は、従業員を大切にしたり、コスト意識を高めるなど日本企業から学ぶことが求められるのでは」と語っていた。