トンボ/供給体制整え安定納品/大都市圏で対応強化

2023年09月29日 (金曜日)

 トンボは今期(2024年6月期)、来入学商戦に向け供給体制を整備し、安定納品に注力する。また、少子化が進行する中、展示会などを開きながら大都市圏での対応を強化する。

 今春の制服モデルチェンジ(MC)校数が747校(ニッケ調べ)で過去最多となったことを受け、学生服業界全体で生産面がタイト化した。このことから、同社は来春向けの新規注文に対しては、「学生服の冬物は6月末、夏物は7月末で締め切り、体育着は9月末までとした」(藤原竜也社長)。藤原社長は「それ以降に注文を受けても生地が間に合わない」と説明する。

 エリア戦略として、大都市圏での売り上げ拡大を目指す。中でも「東京、名古屋、大阪、福岡の4拠点の底上げが重要になってくる」。昨年発表した、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」とのコラボレーション制服など、「トンボが持っているツール」を生かしながら開拓を進める。

 昨年、3年ぶりのリアル展を東京、大阪、名古屋で開いたが、今年は福岡会場を加えて4カ所で開く。テーマを「ブレザーのはじまりとこれから」とし、ブレザー制服の変遷や魅力などを発信。藤原社長は「学校や生徒にとって一番適している制服は何なのかをアピールしていく」と話す。

 物流面では、茨城県笠間市に「東京物流センター」を設立し、今月に稼働を開始した。学生服と体育着を中心に、1年目に1250校、2年目に3500校の物流を担うことを計画。裾上げや刺しゅう加工、セット組みも行い、アソート管理システムや在庫管理システムで効率的な納品と運営体制を敷く。藤原社長は「将来的には加工と定番品において東日本全体をカバーしていく」とし、同物流センターを「東日本のコントロールセンターにしていく」と話す。

 同社は前期に電子商取引(EC)を統括するEC事業本部を設立した。今期は自社通販サイトを整備し、定番品の販売に力を入れる。

 デジタル化も進める。現在、小売店が同社の本社や各支店にオーダーできるシステムを改良中で、来月稼働させる。グループ会社の瀧本(大阪府東大阪市)とはシステムの統合を進めており、10、11月の稼働を予定する。基幹システムのクラウド化も計画しており、28年の稼働を目指す。