ごえんぼう

2023年09月29日 (金曜日)

 朝晩涼しくなり、真っ赤な曼殊沙華(まんじゅしゃげ)が咲き誇る。開花時期などから一般的に彼岸花と呼ばれるが、今年は彼岸を過ぎてから見つけた▼気付けばすっと伸びた茎先に咲いており葉を見たことがない。調べてみると、曼殊沙華は秋の彼岸のころに芽を出し、1日に10㌢近く茎が伸びて5日ほどで花が咲き、約1週間で枯れてしまう。筆者はこの1週間しか知らないのだ▼葉は冬にかけて球根から生え茂り、春に光合成をして球根に栄養を送って夏前に枯死。秋雨が降ると栄養をため込んだ球根から茎が急成長し花開く。多くの植物と生長が異なり葉に気付きにくい。墓地でよく見るのは、その毒性を利用し、土葬された遺体を動物から守るため人が植えたから。不吉なイメージでは申し訳ない。毒抜きした球根は戦時下の貴重な食糧だった▼人も同じ。成長の仕方は多様であり、イメージで判断してはもったいない。