ごえんぼう

2023年10月05日 (木曜日)

 国際通貨基金が世界各国の石油製品や天然ガス、石炭などの消費、生産における直接的な補助金を調査し、集計結果を発表した。2022年度は約1兆3千億ドル(約1千兆円)という衝撃的な数字が明らかになった▼化石燃料価格の抑制が家計負担や社会不安を抑える効果があると考えられる。さらに驚いたのが、日本を含む東アジア地域が全体の45%の割合を占めていたこと。欧州が18・5%に対し圧倒的に高い▼ロシアのウクライナ侵攻後は日本も同様の施策を維持している。しかし、持続可能な社会の実現を目指してきた企業や経営者にとって、ある種の空虚感を覚えるだろう▼22年度の補助金は過去最高、23年度も脱炭素社会に逆行する流れになる。本紙も幾度となく「持続可能な素材開発、生産方法--」と報道してきた。政府の指針で企業が努力しても結局は相殺されてしまう現実。ダブルスタンダードの解消は見えない。