クラボウ KURABO Uniform Week2023「Feel and Matching」/大阪展18~20日 東京展31日~11月2日
2023年10月06日 (金曜日)
クラボウの繊維事業部は18~20日に同社本社ビル(大阪市中央区)、31日~11月2日に東京美術倶楽部ビル(東京都港区)でユニフォーム素材や課題解決型製品・サービスの展示会「KURABO Uniform Week2023」を開催する。今回のテーマは「Feel and Matching」。「Professional(高付加価値素材)」「Sustainable(サステイナブル)」「Functional(機能系)」「Solution(課題解決型製品・サービス)」――の四つのカテゴリーに分けて展示する。これまで素材展として素材を中心に紹介してきたが、体調管理システムや着るアシストスーツ(AS)といったアイテムの広がりを受け、展示会の内容を一新。来場者に共感=マッチングしてもらうことで、新たなビジネスチャンスをユニフォームメーカーや販売代理店と一緒になって創出する。
〈Professional/難燃、制電など幅広く〉
業種に合わせてユニフォームに多様な機能が求められる中、素材もより高度な機能性が求められつつある。4月から販売を開始した後加工難燃「プロバン」は、高い防炎性能と洗濯耐久性を持つ綿100%素材を中心に、更に強力などを上げた綿・合繊混素材も開発・出展。スパッタに強い特性を生かし、鉄鋼や金属、造船業などへ訴求する。
素材難燃の「ブレバノ」では防炎協会活動服基準をクリアした素材や耐摩耗性の高い素材を展示。中東へも輸出実績ができるなど販路が広がっている。
電気・電子技術分野の国際規格であるIEC(国際電気標準会議)に対応した高制電素材「エレアース」では、ポリエステル100%のニット素材を開発。ストレッチ性の向上で快適性を高めた。
〈Sustainable/「ループラス」で連携も〉
年々関心が高まるサステイナブル素材に対しても提案の幅を広げる。ジーンズやカジュアル、タオルなどで取り組み先が広がる、裁断片などを独自の開繊・反毛技術で再資源化する「ループラス」をユニフォーム向けにも提案。裁断片のリサイクルや製品回収への展開を紹介する。
工場内で発生する未利用繊維を再利用した「リルコット」もイチ押し素材として訴求する。
各工場の取り組みも紹介。既にアパレルメーカーの一部がカタログで染色加工の徳島工場(徳島県阿南市)をサステイナブルファクトリーとして紹介している。紡織の安城工場(愛知県安城市)もループラス、リルコット生産に関わる主力工場として、サステイナブルファクトリーとしての存在感を高めている。
〈Functional/合繊で綿紡績の強み〉
機能面では売れ筋のストレッチ素材「バンジーテック」をさらに進化。これまでポリエステル・綿混が中心だったが、初めてポリエステル100%素材を投入する。洗い感覚や綿タッチといった合繊メーカーには表現できない綿紡績ならではの素材感を追求する。
他にもストレッチシリーズとして高強力で上質感、耐久性のある「ウルトラツイル」、高通気で軽量感のある「ジェットエアー」なども訴求する。
〈Solution/強まる労働安全に布石〉
近年、企業では人材確保や労働環境の変化から、職場の安全性に対する取り組みを強める傾向にある。そのようなニーズを捉える上でも“着るアシストスーツ”として発信を強めるサポーター一体型タイプ「CBW」は有効的。コーポレートカラーや現場に合わせた生地の提案などカスタマイズができる強みを生かし、製造業や建設業などから受注を拡大しつつある。
作業者の体調を管理するウエアラブルシステム「スマートフィット」も昨年、取り扱いがしやすいスマホレス型ウオッチを導入するなどで販路開拓が加速。今年7月から生体データ解析のサービスを開始したことによって、顧客のデジタル技術で企業を変革するDXを推進。大手ユーザーへの採用も進んでいる。
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今回、昨年に続き東京でも開催し、31日、11月1日にはセミナー(予約制)の開催も予定する。両日とも午後4時から。テーマは①「プロバンと難燃素材について」②「CBWとアシストスーツ協会の活動などについて」③「スマートフィットと生体データ解析サービスについて」(いずれも仮題)。セミナー終了後には懇親会も開く。
〈双方向で新ビジネス形作る/繊維事業部ユニフォーム部長兼東京ユニフォーム部長 絹本 良和 氏〉
これまで「素材展」という形で、素材を見て選んでもらう1wayの展示会でした。今回、「KURABO Uniform Week2023」としたのは、素材だけでなく、課題解決型製品・サービスの提案、サステイナブルファクトリーと位置付ける安城、徳島両工場の発信も見ていただくためです。ユニフォームメーカー各社が独自性を出した商品開発を強める傾向にある中で、単に素材を見て触ってもらうだけでなく、共感していただき、新しいビジネスへとマッチングしていければという思いを込め、テーマも「Feel and Matching」としました。お客さまと双方向でしっかりと取り組みながらこれからのビジネスを形作る、そのような展示会にしていければと考えております。ぜひお立ち寄りください。
(談)