シキボウ/ブランド戦略PT始動/ソフト面から価値向上へ
2023年10月12日 (木曜日)
シキボウは今月1日に繊維部門にブランド戦略プロジェクト(PT)を立ち上げた。ファッションブランド「アンリアレイジ」との連携を通じて企業価値やブランド価値を高めていくのが狙い。「常識を超えた新しい発想」(尻家正博社長)によってブランド力の底上げを図る。
PTでは繊維部門繊維営業部の機能衣料課とユニフォーム課、戦略素材企画推進室から各1人が参加し、3人で構成。これまでハード面から素材の機能性といった付加価値の向上に力を入れてきた。2021年10月にアンリアレイジ(東京都港区)との業務提携がスタートし連携を深める中で、ソフト面から企業価値やブランド価値の向上にも取り組み「全社的なプロジェクト」(尻家社長)に発展させる。
アンリアレイジはパリコレクションに参加するなど、海外でのブランド認知度もある。同ブランドを率いる森永邦彦デザイナーの「われわれとは違う発想によって、独自技術を思いもつかなかった製品やビジネスへとつなげていければ」と期待。両社間の技術を相互活用し、相乗効果を高めながら、新たな価値を持った繊維製品の企画や開発を進める。
例えば同ブランドの24春夏パリコレクションでは、シキボウが太陽光により色が変わるフォトクロミック技術を活用したプリントのPVC(ポリ塩化ビニル)素材を提供。元々衣類に使われていなかった素材をファッション用途に使用した。
ユニフォームの企業別注向けで同ブランドの提案も進んでいる。企業のイメージやエンゲージメント(組織への愛着心)の向上につながる、新たな発想を取り入れたユニフォームの供給にも力を入れる。