クラボウインターナショナル/コラーゲン配合レーヨン強化/生分解性の早さなど訴求

2023年10月16日 (月曜日)

 クラボウインターナショナルは、コラーゲン配合レーヨン「ルナセル」の展開を強化する。土壌中での生分解性が天然繊維などと比べて早いという特性を持ち、環境意識の高まりに合致した素材として拡販を目指す。着用快適性をもたらす機能や濃染効果も持ち、幅広い用途に提案する。

 ルナセルは、動物性のコラーゲンと植物性のセルロースを融合したレーヨンで、シルクのような光沢感やふっくらとしたハリ・コシ、独特のきしみ感などが特徴だ。水分率が約29%(ボーケン法)と他のレーヨンと比べて高く、保湿性にも優れている。「エコテックススタンダード100クラスⅠ」を取得している。

 同素材の特性として注目されているのが生分解性の早さ。原綿を「JIS K 6950」に準拠した方法で試験を行ったところ、分解度は7日目で58%、28日目には90%に達したと言う。他の繊維の28日目の分解度を見ると、コットンは80%、レーヨンは77%だった。

 吸放湿性や接触冷感、消臭、UVカット、吸湿発熱、制電性といった機能性も持つため、インナーをはじめとする肌に近い用途での採用が進む。今後も肌回り関連商品やカジュアル分野への提案を主体とするが、濃染効果で深い黒色が表現できるためブラックフォーマルなどにも目を向ける。

 ルナセル100%糸と綿混紡糸をそろえ、糸種は20~60番。糸と生地での販売が中心になるが、製品での納入にも対応する。中わた用途向けに粒綿(ポリエステル複合)を用意しており、枕の中わたなどで既に採用されている。

 生分解性などの環境特性を広く訴求するため、このほど東京都内で開催された「第3回サステナブルファッションEXPO」に初めて出展した。同展示会は継続出展を計画しているほか、11月14、15日に開催される「北陸ヤーンフェア2023」でもルナセルの紹介を予定している。