LIVING-BIZ vol.99(7)/フランスベッド/伊藤忠商事「ララカ」/イオンリテール/ニトリ/HLコーポレーション

2023年10月16日 (月曜日)

〈フランスベッド/介護だけでない電動ベッド/サステとIoTで全ての人へ〉

 フランスベッドは、サステイナブル仕様とあらゆるモノをネットにつなぐIoT対応の快適性で“電動ベッド=介護ベッド”のイメージを覆す「エココンフォート電動ベッド」を開発した。11月末に発売する。

 「エココンフォート」は同社のモノ作りにおける新しい考え方で、製品開発段階から使用後のリサイクルに考慮するとともに、サステイナブル素材を用いる。

 エココンフォート電動ベッドでは、①解体・分別が容易な「モアリーN」仕様のスプリングマットレス(税別21万5千円から)②アブラヤシ廃材を原料にした再生木質ボード「パームループボード」使いのベッドフレーム(同12万5千円から)③通常の自社製ベッドフレームに設置できる薄型電動リクライニングユニット(同14万円から)――を組み合わせた。

 ①で社会課題の一つである適正処理困難物のスプリングマットレスのリサイクルを促進。②によって、パームオイル搾取後に放置されたアブラヤシ廃材から発生する温室効果ガスの削減、森林減少といった環境問題の解決につなげる。③ではリクライニング仕様のマットレスを買い足すことで、通常のフレームのまま電動ベッドにアップグレードする。

 IoTコントローラー対応で、スマートフォンやスマートスピーカーでのベッド操作が可能。エアコンや照明などのIoT家電とも連携できる。ベッド上で動画や読書を楽しむ傾向が見られる中、若い世代の電動ベッド需要も喚起。初年度は①~③のセット換算で約1億円の販売を目指す。

 モアリー仕様を電動ベッド用マットレスに採用するのは初めてだが、既に同社製マットレスの約2割を占める。池田一実代表取締役副社長執行役員は、「循環型社会の実現に貢献する企業を目指す」とし、同製造比率を2030年度に5割まで高める考え。ベトナムを中心に海外へも拡販し、30年までに海外事業売り上げの約2割をエシカル商品にする。

 また、福祉用具貸与を中心とするメディカル事業で培った「必要な時に必要なモノを必要な期間レンタルする」循環型の仕組みをインテリア事業にも応用。ホテル向けなどのBtoBレンタルを皮切りに、将来的には一般家庭用途にも広げる。

〈伊藤忠商事「ララカ」/スリープケット初登場/「カサネル」と共同開発〉

 伊藤忠商事は、昨秋立ち上げたウェルネス&ライフスタイルブランド「ララカ」のラインアップを拡充している。夏の今治タオルに続き、このほど第3弾商品を発売。新たにスリープケットやウエストウオーマーを投入したほか、立ち上げ時から人気の「ヒーテッドブランケット」に新色・新サイズを加えた。

 スリープケットは寝具ブランド「カサネル」と共同開発した。カサネルの特徴である長繊維中わた(「ソロテックス」と「ベンベルグ」の複合素材を特殊な編み立て加工でシート状にし、何層も重ねたもの)を採用。「ミルフィーユスリープケット」として訴求する。

 7層のミルフィーユ構造の中わたは吸放湿性、通気性、ドレープ性に優れ、夏は1枚、冬は手持ちのふとんと一緒にと、通年で使える。ほこりが出にくい上、家庭で洗え、アレルギーに悩む人にも優しい使い心地。側生地表面はクシュっとしたレーヨン100%で、しっとり滑らかな肌触りに仕上げた。約210×150センチサイズで2万4千円。

 ヒーテッドブランケットは、室温センサー機能(室温が15℃以下になると毛布本体の温度が約2℃上がる)を搭載した電気毛布。マイヤー編みのマイクロファイバー素材で体を柔らかく包み込む。インテリアと相性のいい落ち着いたカラーで、家庭洗濯も可能。収納や持ち運びに便利なコットンバッグも付けた。

 今回、顧客の声から、スリープ(188×130センチ、1万6千円)と、ラウンジ(110×70センチ、1万2千円)の中間にあたるサイズのルーミー(140×110センチ、1万4千円)を投入。新色ではグレージュのほか、ルーミーとスリープで蔦屋家電・蔦屋書店限定のフォレストグリーンを展開する。

 ララカ公式オンラインショップと二子玉川蔦屋家電(東京都世田谷区)、蔦屋書店(同港区の六本木店、奈良市の奈良店、福岡市の九大伊都店)で販売している。

〈イオンリテール/住生活事業を拡大/「ホームコーディ」も刷新〉

 イオンリテールが住生活事業の拡大に乗り出した。「暮らしの総合サービス」売り場を新設するとともに、PB「ホームコーディ」を刷新。新型コロナウイルス禍を経て変わる生活に向け、製品・サービスを充実させた。

 暮らしの総合サービス売り場は、イオングループ傘下となったアクティアの家事支援サービスを軸に、暮らしと住まいに関する困り事を解決する。10月初旬、イオンスタイル品川シーサイド3階に初導入した。

 料理、掃除、整理整頓といった「家事代行」、エアコンやレンジフードなどの「ハウスクリーニング」、電球1個の交換からサポートする「住まいの御用聞き」で構成。「保管付き宅配布団クリーニング」も受け付ける。実店舗の強みを生かして整理収納の流れや、トイレや浴室、エアコン、ふとんの洗浄技術などを映像で分かりやすく説明する。

 電子商取引(EC)主体の家事支援サービスの敷居を低くし、万一トラブルが発生した場合も店舗で対応。家電販売や住宅リフォームにもつなげる。同店では暮らしの総合サービス売り場開設前比1・7倍の売り上げを見込む。関東を中心に2025年までに同売り場を30店舗へ広げる。

 ホームコーディは、ナチュラル・シンプル・機能的を切り口に、世代・性別を問わず訴求してきたが、「特徴がぼやけてしまった」として、23秋冬商品770品目を皮切りに一新。結婚、出産、住宅取得などで生活環境が大きく変わる30~40代女性をターゲットに、北欧風とフェミニンのテイストを加えたほか、節電・節約に役立つ機能商品、買い替え頻度の高い消耗品の割合を増やす。

 フェイクファーのラグやスリッパをはじめ、「着る毛布」などの寝装品でフェミニン、北欧風を展開。ランチジャーやソファ前で使えるこたつなど、節約・節電商品を充実させた。24年2月期末で前期比1・3倍の売り上げを目指す。

〈ニトリ/ウオーム寝具が進化/東洋紡の吸放湿わたで〉

 ニトリは、2023年度モデルの「Nウォーム寝具」の販売を始めた。3シリーズをラインアップし、東洋紡の吸放湿わたの使用を広げた。

 定番の温かさの「Nウォーム」、もっと温かい「Nウォームスーパー」、一番温かい「NウォームW(ダブル)スーパー」をそろえる。

 今年はスーパー、ダブルスーパーの機能を進化させた。前年にダブルスーパーだけに使用していた東洋紡の吸放湿わたを、今年はスーパーにも拡大した。ダブルスーパーは、触れた瞬間のヒヤッと感を軽減する機能を追加。商品全体のボリュームを増やして保温性もアップさせた。

 Nウォームシリーズの敷パッドは、両面使い、ゴムバンド無しの置くだけ、シーツと敷パッド一体型BOXの3タイプを用意。新たに投入したリバーシブルタイプは、表面が吸湿発熱生地のNウォームで温かく、裏面はさらさら生地の両面仕様で、秋から冬、春まで3シーズン使える。敷パッドの価格はタイプによって価格が異なり、Nウォームが2490円と3490円、スーパーが3490円と4490円、ダブルスーパーが4490円と5490円。

〈HLコーポレーション/“ライフバランスウエア”で展開/休養理論に基づく商品も〉

 婦人服の縫製大手、小島衣料(岐阜市)の子会社であるHLコーポレーション(東京都中央区)は、着るだけで血流を促す高機能ウエア「リフランス」を、23秋冬から、着るだけで体の調子を整える“ライフバランスウエア”として展開する。

 リフランスは、数種類の天然鉱石の混合体「プラウシオン」を含侵した糸・生地を使用。鉱石が発する微弱な遠赤外線が筋肉の緊張をほぐし、血流を促しながら、疲労回復、安眠へと導く。今秋冬は、寝返りを打ちやすいパジャマ、アスリートの休養理論「アクティブレスト」を取り入れたルームウエアなど6点を新開発。順次、電子商取引(EC)サイトで発売している。

 アクティブレストとは、疲労がたまっている時こそ、あえて体を動かして血流を促進し、筋肉のハリを抑えて体を疲労回復へ導く“積極的な休養”という考え方。今回、日本ビーチバレーのレジェンドである西村晃一氏と、女子バレーボール元日本代表の菅山かおる氏の夫妻が監修したルームウエアを初投入した。

 ルームウエアでありながら、ストレッチしやすい型を採用。肩や股関節などの可動域を広げて動きやすくし、疲労回復を促す。オーガニックコットンのプルオーバー2種とパンツ1種をそろえた。

 寝返りを打ちやすいパジャマも動きやすさが鍵。柔らかな和晒の3重ガーゼ使いで、寝姿勢が最も楽になるパターンを開発。登山服に着想を得て、脇の下と股にマチを付け、肩と股関節の可動域を広げることで寝返りしやすくした。小物では足の冷えとむくみを軽減するメリノウールの夜用レギンス(婦人のみ)を加えた。新商品の価格帯は1万4300~2万7500円。