ごえんぼう

2023年10月16日 (月曜日)

 憲政史上2番目に首相の在任期間が長い桂太郎は、ニコニコしながら相手の背中をポンとたたき、親しみを抱かせることから「ニコポン宰相」との異名があった▼「コンピューター付きブルドーザー」と呼ばれたのは田中角栄。明晰な数字で相手をうならせるとともに、高い実行力からそのあだ名が付いた。高等小学校卒でありながら一国の首相に上り詰めたことから「今太閤」ともいわれた▼高橋是清は首相より大蔵大臣としての評価が高い。昭和金融恐慌や世界恐慌の時、的確な措置で他の先進国に先駆けて景気を回復させ、国民から「ダルマさん」として親しまれた▼さて今の首相。「増税メガネ」と呼ばれ、これほど国民からの怨嗟(えんさ)がにじむあだ名を付けられるのも珍しい。せめて増税するにも「令和版所得倍増計画」が実現してからでは。そうでなければ国民の「おメガネにかなう」ことなんてこの先ありえない。