特集 AFF・大阪/初の秋開催、“多様化”の象徴に/24~26日マイドームおおさかで
2023年10月17日 (火曜日)
今年4月に続いて、「AFF」(アジア・ファッション・フェア)が大阪で開かれる。会期は24~26日。場所は大阪市中央区のマイドームおおさか。AFFは2003年に76ブースの出展企業からスタートし、今回の大阪展が39回目。9月に開かれた第38回の「AFF・東京」には従来比ほぼ2倍の約820社・980ブースの出展があり、来場者も多く、盛況だった。今回のAFF大阪は規模こそ200社・250ブースと東京よりも小さいが、糸、生地、アパレルOEM/ODM、副資材、服飾雑貨――など多彩さでは見劣りしない。中国企業を軸としながらASEAN各国からの出展も多く、多様化一途のアジアの繊維・ファッション産業を象徴する展示商談会になりそうだ。大阪展の秋開催は初めてとなる。
〈Comoda Garments/バングラデシュの織物製〉
2018年にバングラデシュで設立されたメーカー。主要アイテムは、ジャケット、パンツ、デニムなどの織物製衣類で、月産能力は40万着。強みは加工賃が安いことと、日本の輸入関税がゼロであること。
輸出専業で、仕向け地別の売り上げ比率は欧州50%、日本50%。日本向けは、直貿と商社経由の2本立てで展開する。
初出展の今回は、ジャケット、カジュアルパンツ、アウトドア・スポーツウエアを展示する。品質とともに、価格競争力や関税ゼロを訴求する。
〈蘇州京奕紡織進出口/多彩なボルテックス糸〉
村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」で生産する糸に特化するメーカー。ここ数年、ボルテックス糸のリーディングカンパニーとして国内外で知名度を高めている。
生産アイテムは、レーヨン糸からポリエステル糸、綿・ポリエステル混紡糸まで幅広い。昨年から綿100%の糸の生産も始めた。30~80番手に対応し、織物と丸編み地、横編み地に使われている。
初出展の今回は、生分解性のある再生セルロース繊維を使った混紡糸や、リサイクルポリエステル使いなどの糸を訴求する。
〈威海明弘服装貿易/日本向けボトムス専門商社〉
2022年に設立されたレディースとメンズのボトムスを取り扱う商社。日本向けに特化する。アイテムは、織物と編み物製の双方に対応している。
顧客のニーズにマッチする生地を迅速に仕入れられることや、製品の品質とコストパフォーマンスが高いこと、納期を厳守していることを強みと自負している。
今回展では、レディースのボトムスとデニム製トップスを出展。ストレッチ性が高く、着心地がよい点や、接触冷感、吸湿排汗、蓄熱保温など生地の機能性を訴求する。
〈杭州●●貿易/ニット小物を小ロット生産〉
2009年に設立されたニット小物メーカー。スカーフ、ショール、帽子、手袋を生産する。年間生産量は100万枚。デザインから開発、生産、販売まで一貫展開している。
輸出に特化している。仕向け地別売上構成比は、欧州45%、北米15%、日本10%、南米30%。日本の顧客は、商社が中心だ。
初出展の今回は、リサイクル素材を使用した製品の認証プログラム「GRS」を取得した製品を出展する。デザイン性や品質の高さに加え、保温性などの機能性をアピールする。
(●はきへんに安)
〈天津盛レイ貿易/セーター専門の新会社〉
2020年に設立されたセーター専門商社。高品質な各種セーターを生産できるサプライチェーンを構築している。最新の素材を使った製品を、短納期で提供している。
輸出がメイン。仕向け地別売り上げ比率は日本40%、欧州40%、豪州20%。日本向けの売り上げはここ数年、新型コロナウイルス禍にもかかわらず拡大している。
2回目の出展となる今回展では、中・低価格帯の商品を中心に出展。サステイナブルな糸使いや、ファンシーヤーンなどの特殊糸使いを訴求する。
〈杭州川桜進出口/主力は日本向けレディース〉
2011年に設立されたアパレル全般を取り扱う商社。日本向けに特化する。主力アイテムはレディースのシャツ、ジャケット、スカート、ワンピース。価格競争力と短納期対応力に自信を持つ。
近年の年間売上高は、150万ドル程度。円安が続く中、新興ブランドなどの小ロットのニーズがある新規顧客を開拓し、価格を維持しながら成長を図っていく。
今回展では、冷感などの機能性を持つシャツと、フリースのベストジャケット、レース使いのベストなどを出展する。
〈厦門市揚力製衣/インナーの老舗メーカー〉
1998年に創業した老舗のインナーメーカー。ワイヤーブラジャーとノンワイヤーブラジャーを中心に、ガードルショーツ、キャミソールなどを生産する。工場の従業員数は約600人で、月産能力は74万枚だ。
日本・欧米のインナーブランドや、地場のスポーツブランド向けを手掛ける。顧客の国別売り上げ構成比は、日本5割、欧米4割、地場1割。
今回は加圧パンツやガードル、ヨガウエア、カップ付きタンクトップ、失禁パンツなど生産難度の高い製品を出展する。
〈山東威海雁レイ進出口/キッズ向けコート専業〉
2015年に設立されたキッズ向け秋冬ジャケット・コートの商社。日本向けを専門に展開する。顧客は、ベビー・子供用品専門店からスポーツブランド、量販店、通信販売までさまざまだ。
自社工場を含め、少量ロットの顧客(100~500枚発注)向けの中小規模工場から大ロット対応工場まで、幅広い生産背景を持つ。この強みを生かし、顧客を増やしていく考えだ。
今回展では、秋冬ジャケット、コートの新作と、ベビーウエアをアピールする。
〈石家庄達一奇貿易/機能性スポーツウエア〉
2000年に設立された幅広いアパレルを取り扱う商社。低価格の製品を短納期で顧客に提供することをモットーにしている。
輸出に特化している。仕向け地別売り上げ比率は日本90%、欧米10%だ。近年の年間取扱高は、150万㌦超。顧客のニーズとトレンドに合致した製品を開発し、日本市場を深耕していく方針を採る。
今回展では、機能性を持つ編み物製のスポーツウエアを打ち出す。冷感、防水、吸湿速乾、UVカット、吸湿発熱などのさまざまな機能性を訴求する。
〈承徳盛北服装/ユニフォーム工場の新会社〉
ユニフォーム工場が、直貿を増やすために今年新設した商社。工場の年産能力は100万着。生産アイテムは、作業着のジャケットとパンツからツナギ、電動ファン(EF)付き作業着までさまざまだ。品質と開発力の高さ、生産の安定性の三つを自社の強みと位置付ける。
輸出は、日本向けがほとんどを占める。日本向け生産に20年以上従事している。
初出展の今回は、ツナギのユニフォーム、EF作業着、ジャケット、綿作業服などをアピールする。
〈新桜国際貿易〈大連〉/水着や浴衣を訴求〉
2006年に設立された自社工場を持つ日本向けアパレル商社。スポーツウエア、水着、浴衣、ルームウエア、カジュアルウエアなどが得意。自社工場では、小ロット・短納期の生産に対応する。
円安が続き、顧客の求める価格と加工賃が乖離しつつある。こうした中、展示会出展などで新規顧客を開拓し、挽回を図る。
同展にはこれまで3回出展し、ネット通販の顧客などを開拓している。今回展では、水着やフィットネスウエア、介護用パジャマ、浴衣を出展し、顧客開拓を加速する。
〈泰州海瀛国際貿易/ファッション性高い帽子〉
2018年に設立された日本向けの帽子メーカー。高品質でファッション性の高いさまざまな帽子を生産している。自社工場の従業員数は90人程度。
商社を通じて日本のブランドに販売。日本の大手・中堅ブランドとの取引実績が豊富だ。品質の高さや、コストパフォーマンスの高さが認められ、新型コロナウイルス禍の中でも成長を続けている。日本に事務所を設ける構想を持つ。
今回展では、日本市場のトレンドを意識して開発した新作をメインに打ち出す。
〈浙江老師傅皮具/メンズのフォーマル用ベルト〉
1996年に設立されたベルトのメーカー。日産能力は2万個。輸出専門で、仕向け地別の売上比率は日本50%、欧米30%、南米その他20%。
ここ5年は日本向けの出荷量は増加傾向にある。日本市場を意識した製品開発を加速し、顧客への提案機会を増やすことで、市場の深耕を図っていく。
初出展となる今回展では、メンズのフォーマル用ベルトをメインに出展する。本革を中心に手触りが柔らかい素材だけを使用している点や、長さを自由に調整できる点をアピールする。
〈浙江四季襪業/ASEAN生産の靴下〉
2007年に設立された靴下メーカー。中国とインドネシア、カンボジアに工場を持つ。靴下を中心にアパレル、アクセサリーなどを生産。靴下の年間生産量は約3500万足だ。
輸出に特化し、北米向けが売り上げの6割を占める。日本向けは1割程度。日本向けは近年、ほぼ横ばいを維持している。
日本深耕のため、今回展に初出展する。スポーツソックスやウールソックス、五本指ストッキング、ファッション性を追求した靴下を紹介する。
〈東莞市卓信模杯/開発力あるインナーメーカー〉
2011年に設立されたインナーメーカー。ブラジャー、ショーツ、矯正下着などを生産する。ブラジャーの月産能力は150万枚、ショーツの月産能力は8万~10万枚。
中国内販と輸出を展開している。輸出先はフランス、韓国、米国、英国など。大手下着ブランドやカジュアルブランドとの取引実績が豊富だ。
日本向けは商社経由で受注していたが、今回展を機に直接開拓に乗り出す。ブラジャー、ショーツ、矯正下着の新製品と、開発力やサービス力などの自社の強みを訴求する。