台湾「TITAS」開幕/最新のサステ素材/11カ国381社が出展
2023年10月19日 (木曜日)
【台北=岩下祐一】素材・繊維機械展「第27回台北紡織展」(TITAS)が17日、台湾・台北市の南港展覧館で開幕した。日本を含む11カ国381社が出展。地場大手メーカーを中心に、最新のサステイナブル合繊素材をアピールする。会期は19日まで。
今回展のテーマは、「サステイナブル・エコ」「機能性」「スマート生産」の三つ。中でもサステ・エコを打ち出す出展者が目立つ。
大手繊維メーカー、遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー)は、サステを追求した編み物「FENC TOPGREEN BIO3」を出展した。工場から排出される二酸化炭素をポリエステル素材にリサイクルする循環型生産と、原着技術を組み合わせた素材で、独自の立体編み立てで、「太陽の下で光る海洋のような」反射効果を生み出した。欧州のメガファストファッションブランドなどから引き合いを受けている。
合繊織物メーカー最大手の福懋興業(フォルモサ・タフタ)は、非食用トウモロコシを使ったバイオ由来のストレッチ糸使いを前面に打ち出した。スパンデックスのようなストレッチ性を持ち、さまざまな織物に使える。機能性加工が可能で、シーズンと用途も問わない。
ポリエステル繊維・PET樹脂メーカーの新光合成繊維(シンコン)は、伊藤忠商事のケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」使いの糸をパネル出展した。欧米ブランド向けを手掛ける現地の生地メーカーや、コンバーターの開拓を狙っている。
合繊メーカーの力麗グループは、マテリアルリサイクルによるアパレル資源の循環システム「CRZ」(クローズド・ループ・リサイクル・ゼロ ウェイスト)を発表した。工場の端材や回収した使用済みペットボトルを原料に再生する技術で、原着糸が生産できる。