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イヌテック/冷却アイテムで市場開拓/アイスベスト、EFウエアなど

2023年11月06日 (月曜日)

 オランダのイヌテックは独自の熱中症対策商品で市場の開拓を進めている。アイスベストや、気化冷却の原理を取り入れたベストなど、さまざまな商品をそろえる。このほど帝人と共同で電動ファン(EF)付きウエアも開発。今後も“冷却”をテーマに、製品開発に力を入れる。

 同社の主力商品の一つが、冷却ベストの「PCMクールオーバー」だ。欧州の化学品規則であるREACHに準拠し、米国農務省(USDA)認定の100%バイオPCM冷却素材を採用。29、24、21、15、6・5℃の5段階の温度をそろえる。

 同商品はサイクリングチームやレーシングドライバーなどに加え、2021年に開催された東京五輪で、オランダのセーリングやホッケーチームで採用された。また、新型コロナウイルス禍では病院職員は防護服を着用しなければならず、夏場は暑さが問題となった。そのため、同商品が病院にも採用された。このほか、「体温のコントロールが難しい多発性硬化症の患者などにも採用された」(同社担当者)など、市場が広がってきた。

 気化冷却の原理を取り入れた商品が「ボディクールスマートX」。ベストタイプのウエアで、腰部分から500ミリリットルの水を注入し、蒸発による気化冷却の原理で体を冷やす。化学薬品などを使わないため、体にも優しい。環境などによるが、冷却効果は少なくても8時間、最大72時間持続する。

 同社はこのほど、帝人と共同でEFウエアの「ボディクールエアベントベスト」を開発した。前身頃に二つ、後身頃に四つのファンを装着。最長で6時間駆動する。

 同社は「すぐ体が熱くなる人もいれば、冷え性の人もいる。さまざまな人たちにちょうど良いソリューションを提供していきたい」としている。