ユニフォームの 未来はいかに  A+A2023 (2)

2023年11月07日 (火曜日)

環境配慮へもう一歩踏み込む

 新型コロナウイルス禍前の「A+A2019」では環境配慮やサステイナビリティーを前面に押し出した展示が多く見られた。今回、サーキュラーエコノミー(循環経済)への意識が高まる中、それらをさらに進化させたリサイクルシステムの発信が目立った。

 19年にペットボトル型のタグを付けて店頭で印象的に見せる工夫を示した、ドイツのBP(バーンバウム・プロエネン)もその1社。同社は1788年創業の老舗企業だが、ドイツではキューブラーと並び、コロナ禍でも成長しているユニフォームメーカーだ。売上高はこの5年間で1千万ユーロ伸び、直近は6千万ユーロとなっている。

 この企業も企画力の高さだけでなく、やはり「良いサプライヤーに恵まれ、安定した供給ができた」(マーケティングトップのジャンフレデリック・シエレマン氏)ことがコロナ禍でも売り上げを押し上げた。もちろんそれまで「サプライヤーに対して、しっかりとしたケアをしてきた」ことの裏返しとも言える。

 英国のテキスタイル企業、クロップマンと連携し、再生繊維の開発に乗り出した。不要となったユニフォームを回収し別の製品にするアップサイクルだけでなく、ダウンサイクルの仕組みも構築。「リコネクション(再接続)によって環境への負荷をできるだけ減らしたい」として、傷み始めた服を塗装業などへ供給する。

 スウェーデンのフリスタッドも「ここ数年、特にドイツでは2~3割の増収」(シニアマーケティングマネージャーのマーカス・ゴットハルツ氏)となっている成長企業。今回展では持続可能性への取り組みを前面に出した。スタッフは不要な繊維製品を反毛したリサイクル糸で作ったトレーナーやシャツを着用。あえて色が混じった古紙のような風合いを残し、循環を強調した。

 同社のリサイクルシステムは現在、オランダ郵便により実証中で「これが軌道に乗れば他の企業へも広げていきたい」。日本では製品をどう回収するかが、ユニフォームメーカーや素材メーカーにとって大きな課題だが、欧州の企業もその点は同じ。大手企業と連携しながら、アップサイクルの仕組みを構築していく。

 キューブラーは、19年にドイツ政府が立ち上げた持続可能な繊維製品認証制度「グリーンボタン認証」を取得していることをアピール。同認証の取得には、製品に加え、それを供給する企業自体も一定の基準を満たす必要がある。その試験項目には、地球環境の保全という観点に加え、児童労働の禁止、安全な労働環境の整備、待遇改善といった、企業の社会的な課題への取り組みを問うものもある。「企業だけではなくサプライチェーンにおいて持続可能なビジネスを考えていかなくてはいけない」(マーケティングトップのダニエル・パッシュ氏)。

 欧州では環境配慮に加えトレーサビリティーへの対応は成長への切り札というよりも、ビジネスを継続していく上での前提条件となる。サーキュラーエコノミーを実現していくことで、これからの持続可能なビジネスが見えてくる。