繊維ニュース

平松工業 24春夏は「風で紡ぐ糸」

2023年11月09日 (木曜日)

 平松工業(大阪市淀川区)は24年春夏のインナー・肌着商戦で、「風で紡ぐ糸」をメンズ肌着向けにデビューさせる。また、「自社EC(電子商取引)を強化する」(平松明憲専務営業本部長兼商品本部長)一環として、吸水ショーツなどレディースインナーの拡販を計画する。

 8月上旬に大阪、東京で24春夏展を開いたところ、地方からの来場者も増え、「かなり盛況だった」と言う。

 24春夏に向けては、メンズ定番のメリヤス肌着のゾーンでこれまでの米綿からインド綿に切り替えるとともに、風で紡ぐ糸を「大々的に打ち出す」との方針を掲げる。

 紡績糸を生産する際、火力発電由来の電力だけでなくグリーンエネルギーである風力発電由来の電力を使用することでCO2排出量の削減を目指す。

 風で紡ぐ糸は伊藤忠商事が展開しており、平松工業はフライス、天竺で商品化したメリヤス肌着の上物を投入。価格は980円、1280円を見込む。

 レディースインナーでは、約1年前に吸水ショーツの販売をスタート。販売量は月間2千~3千枚と「絶好調を続けている」。1層目に凸凹を持たせた生地を、2層目に帝人フロンティアの高吸水・高吸湿繊維「ベルオアシス」を、3層目に防水布を、4層目に身生地を配した4層構造を採用した。

 メンズ肌着に強いとみられている同社がECでは「あえてレディース1本で勝負する」との意欲を示しており、来年8月1日には自社サイトを立ち上げる。

 メンズでは、今年8月に発売したペットボトル再生ポリエステル「リプリーブ」使いのボクサーパンツとニットトランクスの販売が580円という値ごろ感が評価され販売好調を続けている。

 5層構造の編地で商品化した尿漏れ対策品もラインアップ。かねて取り組むメンズボトムスの拡充に引き続き力を入れていく。