ユニフォームの 未来はいかに  A+A2023 (4)

2023年11月09日 (木曜日)

レンタル市場に商機あり

 高品質化の背景には環境配慮に加え、もう一つの理由としてレンタル市場の拡大がある。日本でもユニフォームのレンタル市場は拡大しつつあるが、サービスやオフィスウエアなどが中心。欧州では新型コロナウイルス禍をきっかけに、感染リスクの低減や従業員を危険から守るという意識の高まりで企業納入向けのワークウエアにもレンタルの広がりを見せる。

 さらにレンタルの方が将来的に回収を含め、サーキュラーエコノミー(循環経済)につなげやすいという点もありそうだ。

 「30年前からこの分野ではトッププレーヤー」と話すのはBP(バーンバウム・プロエネン)、マーケティングトップのジャンフレデリック・シエレマン氏。売上高の6割がレンタル向けで「洗濯耐久性を高めるためには高品質でなければいけない」と指摘する。特にドイツでは法規制が厳しく、しっかり職種に合ったウエアを着用しなければ「企業の責任問題になってくる」(同氏)。

 キューブラーもレンタル向けのワークウエアを強化。修整や洗濯などに対応しやすく「ずっと奇麗に使える状態を大手企業ほど必要としている」(マーケティングトップのダニエル・パッシュ氏)。デンマークのマスコットも「着心地や耐摩耗性など、レンタルの企画に沿った商品開発を強化している」(国際マーケティング部長のシッコ・ステーンフイセン氏)と言う。

 素材・副資材メーカーもこういった市場の動向を意識した商品開発が進む。「反射材はガラスビーズ製でリサイクルができない。製造過程で持続可能性を求められている」と話すのは、「スコッチライト」ブランドの反射材を展開する米国3Mのセールス&キーアカウントマネージャー、ホルガ―・レーマン氏。米国では太陽光発電や風力といった再生可能エネルギーのみで生産し、カーボンフットプリントにも対応する。洗濯耐久性も高めた反射材のラインアップも強化。「高品質化への要望がますます高まっている」として、レンタル需要の増加を商機と捉える。

 ドイツのボタンメーカー、Prymファッションもレンタル市場向けの商品を充実。セールスマネジャーのジェニファー・ボン氏は「既に防水仕様はスタンダードで、金属にコーティング使用した耐久性を高めたボタンのニーズも増えている」と話す。

 東欧の生産基盤を生かし、市場を広げてきたポーランドのクリスティアンは、高視認性安全服やワークシューズまでアイテムをトータルでそろえるメーカー。「レンタル市場はずっと成長している」(エルジビエタ・ロゴフスカCOO)として、ファスナーでYKK製を使うなど品質面にもこだわる。ロゴフスカ氏は素材の調達で「韓国メーカーはアグレッシブに営業してくるが、日本企業はあまり来ない」と指摘する。

 日本企業の素材は高機能で高品質だが、以前は為替もあり「高すぎて使えない」という声が多かった。しかし、円安基調の今、日本企業にとって欧州市場は新たな商機が膨らんでいる。