東レ／繊維増益も大幅減益／4～9月期

2023年11月09日 （木曜日）

　東レの２０２３年4～9月期連結決算（ＩＦＲＳ）は、売上収益1兆１９９３億円（前年同期比4・9％減）、事業利益４８６億円（10・6％減）、税引前利益４８９億円（42・4％減）、純利益２８８億円（51・2％減）で減収大幅減益だった。繊維、炭素繊維複合材料など堅調だったが、機能化成品セグメントの樹脂事業で中国市場の需要減少、フィルム事業で電子部品関連におけるサプライチェーンでの在庫調整の影響が利益面で響いた。

　繊維事業は売上収益４８１２億円（5・5％減）、事業利益２７２億円（13・9％増）。衣料用途は欧米の市況悪化の影響を受けたが、国内は商事子会社が堅調に推移した。衛材用途は需給バランスの悪化から低調。産業用途は自動車用途で需要回復が続き、欧州における天然ガスなどの価格低下からスプレッドが改善した。

　炭素繊維複合材料事業は、売上収益１４１１億円（0・8％増）、事業利益76億１００万円（35・9％増）。風力発電翼用途が調整局面となったが、航空宇宙用途の需要が回復傾向となったほか、一般産業用途において圧力容器用途が拡大した。

　通期の業績予想は、売上収益2兆５４００億円（前期比2・0％増）、事業利益１２００億円（25・0％増）、純利益７１０億円（2・5％減）。