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東洋紡グループ/検品工程にAI導入/スパンボンド不織布製造で

2023年11月09日 (木曜日)

 東洋紡はこのほど、グループ会社である東洋紡エムシーの生産拠点である岩国サイト(山口県岩国市)にJR西日本が開発した「AI検品ソリューション」を導入した。スパンボンド(SB)不織布の製造ラインに採用し、検品担当者の作業時間を年間千時間以上削減する効果を見込む。

 JR西日本が開発したAI検品ソリューションは画像解析AI技術を応用したもの。元々は鉄道車両の屋根上機器検査で従来の係員による目視作業の負担を軽減する技術として開発された。JR西日本は、これら技術を他領域に応用し社会課題の解決を目指す「アウトバウンド型オープンイノベーション」を推進しており、その中で東洋紡のSB不織布製造ラインに着目し、画像解析AI技術を応用したAI検品ソリューションを開発した。

 2021年からJR西日本と東洋紡は連携し、実証実験を実施している。データ蓄積機能や再学習機能を実証するなどAIモデルの改良を進めた。その結果、検査担当者の検品作業時間を年間1千時間以上削減できる成果が見込めることを確認した。10月から東洋紡エムシーの岩国サイトにあるSB不織布製造ラインに正式に導入した。

 東洋紡グループは今後、他の製品の製造ラインにも同様の技術を導入することを検討しており、検品工程の一段の効率化に取り組む。AI検品ソリューションは10日まで幕張メッセで開催中の「第8回鉄道技術展2023」のJR西日本グループブースでも紹介する。