ユニフォームの 未来はいかに A+A2023 (5)
2023年11月10日 (金曜日)
需要広がる高視認性安全服
米国の調査会社によれば、高視認性安全服など特殊な機能性ワークウエア市場の年平均成長率は5・2%で、2032年までに全世界で91億㌦超になると予想している。現状はその半分程度とみられるが、さまざまな業界で厳しい法規制によって職場の安全性をより重視する傾向が強まる中、機能性ワークウエアの需要が高まる。今回のA+A2023では高視認性安全服や防護服の展示が目立った。
ドイツのSガードは、「レンジャーシリーズ」として展開する消防士のウエアが売れ筋だ。生地には難燃性のアラミド繊維とともに、メリノウールと難燃HWMレーヨン短繊維「レンチングFR」を組み合わせた生地「エコドライシールド」を採用。柔軟性が高く、通気性、耐摩耗性にも優れ、森林火災などさまざまな災害に対し長時間の活動ができる。
メディア&コミュニケーションマネージャーのジョアンナ・シュミッツ氏は「ここ3年の高視認安全服の販売は拡大している」と話す。欧州だけでなく最近では韓国へも輸出している。他にも「ハイブリッド」と呼ぶハイテクな高視認性安全服では、難燃性と防水性に優れ、2重の透湿防水層を作りながら通気性を確保する米国・ゴア社の「ゴアPARALLON」を採用。通気性の高い500タイプと、耐熱性の高い600タイプを組み合わせた同社独自の仕様となっている。
ノルウェーのヘリーハンセンは日中の外で5分、屋内でも電灯下で10分さらせば蓄光し、12時間も光を発する英国ビズリフレクティブズ社の素材「ビズライトDT」を高視認安全服に採用。「品質のイノベーションに力を入れる」(英国重要顧客マネージャーのゴードン・カーク氏)ことで、常に消費者の購買意欲をくすぐる。同社も新型コロナウイルス禍を通じて販売が堅調で、英国ではこの3年間で毎年25%ずつ売り上げが伸びていると言う。
イタリアの企業はファッション性にもこだわる。イタリアのSIRが開発した高視認性安全服はデザイン性だけでなく、反射材部分にストレッチ性を持たせて着心地の良さを追求。さらにリバーシブルでひっくり返せばネービーのダウンジャケットに。「このまま街に出て食事をしたいというニーズに応えられる」(国際事業部長のアントニオ・スパックカパニコ氏)。
欧州では重い=重厚感で高品質というイメージが強かったが、最近は軽量化を求める声が一段と増えている。A+Aに初出展の英国のフレーム・プロは、ゴア社が開発した、1平方㍍当たり320㌘と軽量でありながら防水や防炎、帯電防止の高機能生地「ゴアテックスPYRAD」を使い、「世界でも一番軽い」(ジャック・グリフィン技術営業マネージャー)保護服を開発した。
同社の新製品開発の担当者は9年前、1人だったが今では13人まで増員しているという。「万が一のリスクにも対応しようとする企業のニーズが増えている」ことをうまく捉え、成長軌道に乗りつつある。





