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帝人フロンティア 24秋冬は横編み分野深耕

2023年11月16日 (木曜日)

 帝人フロンティアは、24秋冬向けのファッション素材販売で、横編み分野の深耕に力を入れる。タコ足型断面ポリエステル「オクタ」やPTT(ポリトリメチレン・テレフタレート)繊維を使って機能性を付与することで差別化を図る。

セーターやカーディガンなどの製品を作り、国内外の顧客に提案する。

 ポリエステル長繊維を使った横編み製品は、海外ブランドの間でも採用が増えつつあり、同社は今後の伸び代が期待できる分野の一つと捉えている。その中で「柔らかい糸や機能を持った糸を使った製品は比較的少ない」とし、独自の機能糸を活用することで存在感を示す。

 その一つが、中空糸に8本の突起を放射線状に配列したタコ足型断面のオクタだ。吸汗速乾や軽量、保温性、遮熱、断熱、かさ高といった特徴を併せ持つ。PTT繊維「ソロテックス」とポリエステルを使い、ストレッチ性や軽量感、綿ライクな風合いを付与した製品も打ち出す。

 横編みのほか、丸編み分野でも提案するのが特殊ポリエステルと綿の二重構造糸「マーフィル」。加工によってポリエステルが収縮し、綿が糸の外側に押し出される。これにより綿のソフト感と特殊ポリエステルのハリ・コシを両立した。イージーケア性やビンテージ感といった特徴も併せ持つ。

 17日まで同社東京支社で開催中の「2024秋冬衣料展」では、オクタやソロテックスとポリエステルのコンジュゲート糸を使ったカーディガン、マーフィルを使ったワンピースなど、多様な製品を見せた。これらは国内のほか、中国やASEAN地域で生産し、国内外へ同時発信する。

 24秋冬では、ストレッチ性と滑らかな風合いを持つ裏地素材「ソロテックスシルエッティ」、高機能ハイブリッド中わたなどを展開する。また、易リサイクルを可能にする「モノデザイン」製品も訴求する。副資材を含めて原材料を統一することで、効率的に衣料製品をリサイクルできるようにする提案だ。