ユニフォームの 未来はいかに A+A2023 (8)
2023年11月16日 (木曜日)
急速に市場広げるAS
今回、A+A2023で目玉となったのが、アシストスーツ(AS)だ。世界から有力なアシストスーツメーカーが集結。海外では一般的にエクソスケルトン(外骨格)などと呼ばれ、今後の労働安全市場で欠かせない存在になっていくことは間違いない。
日本から注目度高かったのが義肢分野の世界トップメーカー、ドイツのオットーボック。A+A開催2週間前に発表したばかりの「スーツX」の新製品で上半身に装着する「IXショルダーエアー」と、下半身に装着する「IXバックエアー」を披露した。ガススプリング方式によって自然な体の動きを利用して、着用者の負担を軽減する。電気を必要とせずに1日中着用が可能だ。
この分野はベンチャー企業も多い。ドイツのhトゥリウスは3年前から外骨格タイプのAS「バイオニックバック」を発売。1・2㌔と軽量で、10秒で装着できる。作業中の背中の負担を25~30%軽減し、背中の筋肉で86%、脚の後ろで50%、臀筋(でんきん)で76%、腹部側筋で57%の疲労が軽減されるという。売れ行きは昨年の3倍で、2人の従業員を増やしたと言う。
17年からAS分野に参入しているドイツのヒュニックは、6世代目の外骨格タイプの「ソフトエクソ」を展開。重量は1・4㌔で腰の負担を50%軽減し、持ち上げの際、最大で25%の力が向上する。同社も売れ行きは順調でレンタルによる市場拡大も視野に入れる。
今回展では日本企業も存在感を示した。イノフィス(東京都八王子市)は、6月に国内で販売を始めたサポータータイプの新製品「マッスルスーツソフトパワー」を欧州で初披露した。人工筋肉の技術を応用し、腰部分の負担を35%軽減する。依田大取締役執行役員は「日本だけでなく欧州でもAS市場は盛り上がりを見せている」と話す。
初出展のアルケリス(横浜市)は「アルケリスFXスティック」をアピールした。同製品の最大の特徴は立った状態を保ったまま座ることが可能になること。装着者の体重をすねとももで支えることで、長時間の立ち仕事での足腰の負担を軽減する。立ち仕事の多い外科医療や工場の現場で採用が進む。この仕組みが「業界にはあまりない」(佐保勝彦取締役)ことから注目された。
ヴァーゴウェーブ(東京都中央区)も初出展。物流機器のレンタル事業を手掛けるユーピーアールから事業業務を受託する、動力を使わないパッシブタイプのAS「サポートジャケット」を展示した。動きやすさに加え、比較的安価で価格優位性も高い。来場者からの反応は「シンプルで着脱もスムーズな当社の製品はニーズにかなっている」(同社担当者)として良好だ。
今回展で話題になっていたのが価格差だ。欧州メーカーに比べ日本メーカーの商品は関税を入れても半額程度かそれ以下で、優位性がある。課題はサポートを含めた供給体制だ。オットーボックは北米も含め、大手自動車メーカーや物流企業などが試験的に装着しており、「意見をフィードバックしてもらいながら常に改善し続けている」と言う。手厚いサポートによってユーザーの意見を取り込んだ開発を欧州でもできるかどうかが、今後海外での市場拡大の鍵を握る。





