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10月 大手アパレル/秋冬物の初動で明暗/気温高くコート苦戦

2023年11月17日 (金曜日)

 大手アパレルの10月度全店売上高は、オンワードホールディングス(HD)、ワールドの2社が増収となった。記録的な猛暑だった9月から続く形で気温が高く、秋物商材の稼働で明暗が分かれた。月後半は気温が低下し、一部のブランドではニットウエアやブルゾン類が動いている。

 オンワードHDは1・8%増となった。秋冬商材の動きが緩やかだった一方、月後半はニットウエア、ボトムスが稼働。グループ企業の大和はブライダル関連の売り上げが伸長し、ペット用品を展開するクリエイティブヨーコは新規店の販売が堅調だった。チャコットは引き続きコスメティックが売れ筋になっている。

 ワールドは2・2%増となった。電子商取引(EC)販路が8・4%増と好調。実需のアウターが高稼働し、EC向けの販促も奏功している。朝晩の寒暖差が大きいことから、ニットウエアや羽織り物が売り上げを伸ばした。ブランケットや大判ケープも好調のほか、実店舗ではSC向けのブランドが伸長している。

 TSIホールディングスは2・4%減となった。秋物の動きは鈍化したものの、店舗販路は全店、既存店ともに前年同月を上回った。しかし、EC販路で苦戦。全店ベースのEC販路は10%減だった。

 三陽商会は5%減となった。コートやアウターの稼働が遅れ、さらに前年9月の外出自粛が解除された時期にリバウンド需要が旺盛だったことで、今年は「その反動があった」としている。コートが苦戦したものの、ジャケット、ワンピースは好調。基幹ブランドはおおむね2~7%減となっている。

 バロックジャパンリミテッドは1・5%減となった。月中旬以降に秋物が稼働したが、月前半の遅れを取り戻せなかった。EC販路は6・1%増と好調、月後半からアウター類も動き始めた。客単価は3・2%増となった。