次の一手を求めて JFW―JC・PTJレビュー (5)
2023年11月22日 (水曜日)
新規開拓へ備蓄機能訴求
ドレスシャツ地を備蓄販売する太陽繊維は「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」(PTJ)初出展。ドレスシャツ地専業だったが近年はユニフォーム向けやカジュアル向けのシャツ地が増えているため、PTJで新規顧客を開拓しようと考えた。
2千~3千品番を備蓄する小口・即納体制が強み。別注も受ける。仕入れの海外比率は6~7割で増加傾向にある。中国、ベトナム、イタリアなどに協力織布工場や染工場を持つ。
以前は織物一辺倒だったが、近年は丸編み地や経編み地などニットも増加している。
今回展ではシルクアミノ酸を付与した機能性ポリエステル「クールマックス」使いのハイゲージニットシャツ地や、リネン100%織物に形態安定性を付与したシャツ地、超長綿使いの織物シャツ地などを提案し好評を得た。
尾州産地の中隆毛織も初出展。「JFWジャパン・クリエーション」(JC)には尾州ブースの一員として参加していたが、「JCの来場者は学生やデザイナーの卵が多い。新規顧客獲得のためにはPTJのほうがいい」と考え独立して単独出展した。
定番のウール糸やオリジナルの糸は備蓄するが、生地は基本的に別注。商品構成はウール使いを主力に、丸編み地とシングルラッセルで6割、織物で4割。外注100%で、顧客は生地商社がメイン。アパレルとの直接取引はないが、「要望があればトライしていきたい」とする。
織物、丸編み地、ラッセルという幅広いラインアップで熱心に商談を重ねた。輸出拡大も狙っており、フランスの「プルミエール・ヴィジョン」、イタリアの「ミラノ・ウニカ」への出展も検討している。
シルクの糸、生地、製品を製造販売する尾州産地の長谷川商店は久しぶりのPTJ出展。商社的に糸、生地、製品の販売を手掛けつつ、丸編み機と島精機製作所の「ホールガーメネント」横編み機を保有するメーカーとしての顔も持つ。
PTJ出展の期間が空いたのは、以前は豊富なカラーを付けたシルク生地を備蓄していたが、その生産体制に不具合が生じていたため。この問題が改善できたため改めて出展することにした。今回の来場者の反応を見て、再び生地備蓄の体制を整えるか否かを判断するという。