繊維ニュース

トップマン工業

2023年11月28日 (火曜日)

 バイアステープを主力とする副資材製造卸のトップマン工業(大阪府東大阪市)はこのほど、2018年に投入して人気を博す次世代高弾性素材「ネオラバーテープ」(NRT)とその細幅タイプである「ネオラバーストラップ」(NRSTP)を広幅化して生地タイプに仕上げた「ネオラバー2・0」を開発した。

 NRTとNRSTPは、クラレプラスチックスの熱可塑性エラストマー「アーネストン」を、ナイロン・ポリウレタンのトリコットで挟んだテープ(ストラップ)。常に快適なフィット感を維持する高い伸長回復力や、長時間の着用でも圧迫感やストレスを感じない低応力、経時や外部要因による劣化が少ない高耐久力が特徴。ポリウレタン使用量が少ないことと高耐久力のためサステイナブルの要素もある。

 高価格ながらスポーツやインナー分野でウエストゴムなどに採用され、ヒット商品となっている。コンセプトは「ゴムのような弾力性でありながら環境にも人にも優しい新素材」。

 このほど、「幅がないから使いにくい」というユーザーの声に対応し、生地タイプを開発した。中材にはNRT、NRSTPと同じくアーネストンを使い、ポリエステル・ポリウレタンの丸編み地で挟んだ。特徴はNRT、NRSTPと同じ。両サイドの生地を変え、ベア天竺タイプ、ダンボールニットタイプ、フリーカット型天竺タイプの3種を用意する。9月に大阪市内で開かれた「SDGs展」に試験的に出品したところかなりの反響があったと言う。

 生産は同社和歌山工場(和歌山県紀の川市)で行い、丸編み地は和歌山ニット産地の編み立て工場から仕入れる。同編み立て工場と協力し、ラッシュガードなどの製品も試作している。スポーツ、インナー、マスクなどの表地、各種資材などでの採用を想定しながら、12月6~8日に東京ビッグサイトで開かれる「中小企業新ものづくり・新サービス展」に出展して披露する。

 室賀昭人社長は、「日本のモノ作りは高品質かつ付加価値化の方向でしか生き残れない。ネオラバー2・0をフラッグシップモデルに成長させていきたい」と拡販への意気込みを見せる。

 NRTとNRSTPを「ネオラバー1・0」、ネオラバーファブリックを「ネオラバー2・0」と位置付け、アーネストンの衝撃吸収性を生かした「ネオラバー3・0」も構想している。