未来模索する 4~9月期決算から 商社繊維事業 (2)

2023年11月28日 (火曜日)

訪日外国人の需要増も

小売り市況回復で業績向上  伊藤忠商事

 伊藤忠商事繊維事業の連結は、収益2582億円(前年同期比1・7%増)、売上総利益611億円(14・4%増)、営業利益115億円(32・9%増)、純利益115億円(0・5%減)だった。

 新型コロナウイルス禍の影響の反動により小売り市況が回復したことに加え、訪日外国人観光客需要でブランド事業の売り上げが伸び増収、営業段階では大幅な増益を計上した。

 主要関係会社の連結取り込みの純利益は、デサントが24億円、ジョイックスコーポレーションが0、レリアンが1億円、ドームが4億円、エドウインが2億円、三景が9億円となった。

 通期は、アパレル関連事業の業績が堅調に推移するとみて、期初の計画通り純利益330億円を見込む。

収益改善し大幅増益 蝶理

 蝶理の繊維事業の連結は売上高が702億円(0・5%増)、営業利益39億円(91・3%増)、経常利益42億円(112・9%増)、純利益43億1千万円(217・0%増)と微増収大幅増益だった。

 大幅増益には、価格転嫁の進展、サプライチェーンの混乱からの回復、物流費の抑制、低採算取引からの撤退などが寄与した。

 全般的に好調だったが、とりわけリバウンド消費の活発化や訪日外国人観光客需要の高まりを的確に捉えられたことで製品OEM/ODM事業の売り上げが拡大した。糸・生地販売も中東民族衣装向けの回復や環境配慮商材の拡販が進み、カーシート地など自動車関連も好調に推移した。

 売上高のうち、国内は1・4%増の187億円、輸入は9・4%増の285億円と伸ばしたが、輸出と第三国向けは9・2%減の232億円だった。

繊維関連事業が成長 GSIクレオス

 GSIクレオスの連結業績は、売上高708億円(前年同期比17・1%増)、営業利益17億2200万円(53・4%増)、経常利益18億200万円(40・6%増)、純利益12億9700万円(42・7%増)。繊維関連事業の成長が寄与し、大幅増益だった。

 インナー用機能糸・生地が順調だったファイバーは、売上高368億円で21・3%増、営業利益2億6200万円で5・2倍。アウターは、OEM・ODM取引が増加し、売上高101億円で24・7%増、営業利益4億9500万円で18・9%増。インナーは売上高66億3600万円で13・0%増、営業利益2億5700万円で黒字に浮上した。

 今期の業績予想は、売上高1370億円、営業利益28億円、経常利益28億円、純利益19億5千万円。