ごえんぼう

2023年11月30日 (木曜日)

 ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏が米有力誌「タイム」(12月4日号)の表紙に登場した。同氏は「日本は全く先進国ではない。30年間も休眠状態だったのだから」と話す▼たまっていたマグマが一気に噴き出した印象だ。記者会見でも度々、膨らむ財政赤字や世界から遅れを取る日本企業の低い生産性を訴えてきた。円安でファストリの黒字が押し上げられてもその姿勢は一貫している▼記事では数字の裏付けを背景に「製造業への不健全な執着、税収ではなく急増する借金で賄われている予算のため崖っぷちにある」とした▼政財界は旧来の成功体験に固執し、自ら変革する兆しは見られない。さらに「日本が他のアジア諸国に比べて遅れているという現実を受け入れるべき」と続けた。この記事をどう受けとめるか、政府や大手企業、繊維産業の関係者は。苦笑いでは済まされない、指摘は弱体化の核心を突いている。