ごえんぼう

2023年12月01日 (金曜日)

 子供の視力低下が進む。文部科学省の2022年度学校保健統計調査によると、裸眼視力1・0未満の割合は小学生4割弱、中学生6割超、高校生7割超。いずれも過去最高を更新した▼主な要因はデジタル端末の長時間利用。小中学生に1人1台の学習端末が配備された影響もあるだろう。画面を近くで見続けると、毛様体筋という筋肉が固まり、ピント調整がうまくいかず近視になりやすいという▼子供のころメガネに憧れた筆者は、「暗い所で本を読むと目が悪くなる」との注意を逆手に取り、押し入れの暗がりで本を読んだが無駄骨だった。今ではその根拠がないことが分かってきており、近視にならずホッとしている▼目先に捉われ大局で物事を捉えられない“近視眼的”思考にも注意したい。屋外で遠くを見ることは近視予防の一つだが、社会の事象も自分の狭い視野から離れ、幅広い視点で見つめ直す姿勢が大切だろう。