繊維ニュース

石川県繊維協会など/クラレ高性能繊維で講座/用途展開など紹介

2023年12月01日 (金曜日)

 石川県繊維協会、繊維リソースいしかわは11月29日、金沢市内で「令和5年度いしかわ繊維大学マネジメント支援講座プログラム(上級)」の第3回目を開いた(オンラインと併用)。

 産業資材がテーマの3回目は、クラレの繊維カンパニー産業資材事業部産資開発部主管の麻生祥史氏が「高性能繊維:ポリビニルアルコール(PVA)繊維のビニロン、“クラロンK―Ⅱ”、ポリアリレート(液晶ポリマー)繊維“ベクトラン”」の製法・特性・用途展開」について講演した。

 PVA繊維では歴史や製造法、用途展開などを紹介。ビニロンはセメント補強、モルタル・コンクリート補強、ブレーキホースなどのゴム資材、機能紙用(ショートカットファイバー)、クラロンK―Ⅱはタオル、肌着、紳士服地、ケミカルレース用不織布などに使われていることを繊維特性を踏まえて解説した。クラロンK―Ⅱでは水溶性の特徴を生かし水分を一定量保持できることから、紙おむつ吸水層や創傷被覆材向けにも提案している点を紹介した。

 ベクトランも同様で、歴史、製造法、特性、さらにアラミド繊維と比較しながら、ロープ・ケーブル、ネット、防護手袋、FRP(繊維強化プラススチック)などの用途展開を解説した。ベクトランでは低吸水性やクリープ性、低温下での引っ張り強度、摩耗性などに優れる点や低振動性を生かして自転車フレームやゴルフシャフトに採用されている点もPRした。