ごえんぼう

2023年12月04日 (月曜日)

 マフィアを描いた名作と言えば『ゴッドファーザー』を思い浮かべるかもしれない。米国で1999~2007年に放映されたドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』もなかなかの名作だ▼主人公のアンソニー・ソプラノ(通称トニー)は、ニュージャージー州に縄張りを持つイタリア系マフィアのボス。ストレスでパニック症候群を抱えつつも、それを隠し統率力を発揮しながら組織をまとめる▼裏社会で勢力を拡大するがゆえの問題だけでなく、母や妻との関係、子育てなど家庭内の悩みにもさいなまれるトニーの姿には題名通り哀愁が漂う。内部から組織を崩そうとするFBIとの攻防もこのドラマの見どころとなる▼決断力が試される場面が幾度となく出てくるが、「間違った決断も、決断しないよりはマシだ」とトニー。果たして最終回で彼は生き残ることができたのか。視聴者に判断を委ねる終わり方もまた味がある。