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「ファミフェス」 衣料品に大きな可能性

2023年12月04日 (月曜日)

 ファミリーマート(東京都港区)は11月30日、コンビニ業界初の試みとして大型イベント「ファミフェス」を国立代々木競技場第二体育館(同渋谷区)で実施した。チャレンジ大発表会というコンセプトの下、同社が行っている「多くの挑戦」を披露。

ファッションブランド「ファセッタズム」の落合宏理デザイナーと共同開発する衣料品ブランド「コンビニエンスウェア」のショーでは、新たにスエットやジーンズを打ち出すなど、衣料品への可能性を感じさせる内容となった。

 コンビニエンスウェアは“チャレンジの象徴”という位置付けで、2021年の発売以降、年代を問わず多くの支持を集めている。ラインソックスやTシャツ、今治タオルハンカチなどがロングセラーとなっており、5日からは新たにスエット、パーカ、パンツなどを投入する。

 全国のファミリーマート約1万6500店舗で販売するほか、デニムジャケットやジーンズ、サロペットなど計50型を先月に開業した大型複合施設「麻布台ヒルズ」にある「ファミマ!!」店舗で限定販売する。スエットには重厚感のあるUSAコットンを採用、ユニセックスで着用できるオーバーサイズが特徴になっている。

 落合氏が手掛けたデザインの完成度に加え、コンビニならではのコンパクトなパッケージを意識したと言う。パーカのフードひもにはファミマカラーのユニークなアクセントを加えた。いずれも2千~3千円台と手頃で、来場者からは「コンビニの服とは思えない」との声が挙がっていた。

 麻布台ヒルズで販売するデニムジャケット(9990円)は、ヘビーウェートのオーセンティックなデニム生地を採用、ワンウオッシュで仕上げた。ジーンズ(7990円)とのセットアップも可能で、ショーではクルーネックセーターとのコーディネートも見られた。

 モデルには年代、国籍を問わず、多様な人たちを起用し、日常でコンビニを利用する姿を描いている。さらにファミリーマートのアンバサダーを務める俳優の吉田鋼太郎さん、八木莉可子さんのほか、フィナーレには加盟店に勤務する従業員がユニフォームを着用して登場。同社によると「主要コンビニがファッションショーを行うのは初めて」とする。

 親会社である伊藤忠商事の経営陣や有力取引先の関係者らも多数来場、注目の高さがうかがえた。落合氏は以前、本紙とのインタビューで「全国のファミリーマートには1日約1500万人が来店する。そこでファッションを提案するのは大きな可能性がある」と話している。