繊維ニュース

センコーグループHD 廃プラ再生事業を本格化

2023年12月05日 (火曜日)

 センコーグループホールディングス(HD)はハンガーカバーの廃プラスチック(ポリエチレン)を、マテリアルリサイクルする取り組みをオンワード樫山、三陽商会、シップス(東京都中央区)の協力を得て1日から本格的に立ち上げた。

 同グループではセンコー商事(同江東区)が中心となりアパレルの納品物流業務を担う東京納品代行(千葉県市川市)、アクロストランスポート(江東区)の輸送網を活用し、動静脈一体物流を活用して効率的に廃プラスチックを回収し再生する資源循環プラットフォームの実証事業を行ってきた(図)。

 実証事業では、回収プラスチックの資源化にテラレムグループ(東京都中央区)が、資源化されたチップを流通に乗せる役割を豊通ケミプラス(同港区)が、資源化された樹脂からフィルムを製造し再製品化する工程をナクシス(同渋谷区)がそれぞれ担当した。

 今回の枠組みで事業としての採算性を確保できることを確認できたため、1日からオンワード樫山、三陽商会、シップスの協力を得て本格的に事業化することを決めた。

 サプライチェーンの過程で発生するハンガーカバーの廃棄物は奇麗な状態で排出される廃プラであるにもかかわらず、現状ではほとんどがサーマルリカバリー(熱回収)にとどまっていた。

 物流拠点や各店舗で発生するハンガーカバーの廃プラをマテリアルリサイクルするためには、薄く広く分散した廃棄物を効率的に回収することが必要不可欠で、そのためには企業の枠を超えた横断的な取り組みが求められていた。