ごえんぼう

2023年12月06日 (水曜日)

 歌に勇気づけられることは多い。くよくよした気分を晴らしてくれたり、前を向いて生きようと思わせてくれる応援歌が好きだ▼「生きることがつらいとか苦しいだとかいう前に 野に育つ花ならば 力の限り生きてやれ」――。松山千春の名曲「大空と大地の中で」の一節にも何度も励まされてきた。こうした応援歌を聴き、前を向いて生きて行こうと思えた人も多いのではないか▼しかし、前を向くことが許されない人が存在することも現実だ。休戦協定が破られたガザでは何の罪もない子供たちが毎日死んでいる。他人に命を踏みにじられる日々の中で、「生きてやれ」という応援歌は心に響くのだろうか。響くはずがない▼個人的に自殺は肯定しない。ただ、生殺与奪の権利は本来自分だけのもの。誰かの事情で誰かの命が侵されていいはずがない。応援歌がガザの子供たちの心にも響く平和な日々が一日も早く訪れますように。