繊維ニュース

東レリサーチセンター/表面エネルギー測定受託/粒子・繊維の親和性評価

2023年12月06日 (水曜日)

 東レリサーチセンターは、インバースガスクロマトグラフィー(IGC)による粉体・繊維の表面エネルギー測定について受託分析サービスを開始した。繊維強化複合材料の強靭(きょうじん)化などに役立つ「物質の親和性」に関する知見が得られる。IGCによる表面エネルギー測定は他の国内分析会社では行っていないと言う。

 表面エネルギーは、物質同士の親和性(なじみ)を表す指標。表面エネルギーが大きいほど粉体同士が付着(凝集)しやすく、液体は粉体中に浸透しやすくなる。これまで粉体や繊維のような細かくて複雑な形をした物質の測定は難しいとされてきたが、IGCによって克服した。

 IGCは、粉体や繊維状試料を充填(じゅうてん)したカラムに特性が知られている試験溶媒(アルコールなど)の蒸気を注入し、試験溶媒の蒸気がカラムから出てくるまでの時間を測定する方法。東邦大学の野口修治教授、伊藤雅隆助教の指導を得て測定ノウハウを確立した。

 表面エネルギーを正確に測定する技術を提供することで、電子材料や医薬品、化粧品、食品をはじめとする幅広い産業の材料開発支援に貢献したいとしている。