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GXリーグ/グリーン商材で提言書/旭化成、三菱ケミカルG参画

2023年12月07日 (木曜日)

 経済産業省の提唱で結成されたカーボンニュートラル実現のための産官連携プラットフォームであるGXリーグはこのほど、「グリーン商材の付加価値化に関する提言書」を発表した。参画企業17社で構成するワーキンググループ(WG)がまとめたもので、WGには旭化成と三菱ケミカルグループ(G)が参画している。

 WGは3月に発足し、参画企業のグリーン商材候補を基に、その商材が持つ“グリーン価値”(環境負荷を低減させる価値)をグローバル市場で付加価値化するための課題と仕組みについて検討を重ねた。今回の提言書では、グリーン商材の高付加価値化の指針案と先行事例を示し、グリーン価値に関する計測・算定手法、効果的な配分方法、経済活用の方法などを紹介している。

 主な提言内容としては、産官が協力してグリーン価値活用のための仕組み作りを進めること、二酸化炭素排出の絶対量に加えて、基準値からの排出削減を指標として認識し、マスバランス方式も参考にしてグリーン価値を有効活用することを挙げる。サプライチェーン全体でグリーン価値を評価することや、希少金属資源の資源セキュリティーが重要であり、日本域内での循環を支援することを提言している。

 そのほか、グリーン商材の市場拡大に向けて将来のカーボンプライシングの導入以外にもさまざまなインセンティブの仕組みが必要であること、今回の提言をベースに国際標準化の取り組みにつなげることの重要性を指摘した。