「アウトドアプロダクツ」/ベイクルーズと店舗で独占契約/日韓の小売り強化

2023年12月07日 (木曜日)

 伊藤忠商事は、保有するブランド「アウトドアプロダクツ」について、日本と韓国で既存のパートナーと新たな契約を締結した。日本ではベイクルーズと、アパレルに関するライセンス契約とブランドストア運営・販売の独占契約を結んだ。韓国では、カジュアルファッション小売りのワンダープレイスの転換社債を引き受けた。ブランド創設50周年を機に、日本と韓国の有力パートナーと小売り分野でのブランディング強化に取り組み、ブランド価値向上を図る。

 アウトドアプロダクツは1973年に米・ロサンゼルスで創設されたアウトドアブランドで、現在は60カ国以上で販売されている。

 伊藤忠は2012年にアウトドアプロダクツの日本、韓国、中国を含む19地域での商標権を取得した。現在はアジアを中心に33地域にまで商圏を広げている。今後に向けても、中国市場のパートナーとなるPPWスポーツ&エンターテインメント〈香港〉との資本業務提携やバングラデシュでの販売など、アジア市場の成長をにらんだ施策を打ち出す。

 ベイクルーズはこれまでにもアウトドアプロダクツのバッグなどを販売しており、今回の契約でアパレルにも商品領域を広げ、出店戦略も促進する。全体的なディレクションにセレクトショップ「シンゾーン」を立ち上げた染谷真太郎氏を迎え、人々の日常を支えるアパレル・日用品のコレクションを追求していく。24春夏シーズンから、旗艦店に加え駅ビルやショッピングモールへの出店に乗り出す。

 ワンダープレイスは17年から、アウトドアプロダクツの韓国市場でのマスターライセンシーとしてブランドストア約20店舗を運営している。伊藤忠は同社に対し、出店やマーケティングのための投資を推進する。

 伊藤忠は同ブランドに関し、アジアでのビジネス拡大により、5年後をめどに小売価格ベースで年商500億円を目指す。