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東レ スポーツ・衣料資材事業部/快適性で多用途深耕/吸水速乾や高通気など訴求

2023年12月07日 (木曜日)

 東レのスポーツ・衣料資材事業部は、合成繊維が持つ快適性を前面に打ち出すことで多用途での販売拡大を図る。スポーツ・アウトドア分野に加え、ファッション衣料分野でも快適性のニーズが増えており、25春夏向けでは吸水速乾生地や高通気生地を訴求し、幅広い用途の需要を取り込む。

 感染症の拡大を経て、合成繊維が持つ機能に注目するファッションアパレルや紳士服量販が増えたといわれている。同事業部はスポーツ・アウトドアを主力としつつ、こうした流れにも着目。多くの機能の中でも特に要望が大きいという快適性に焦点を当てた素材を積極的に打ち出して販路の開拓につなげる。

 快適性を付与できる素材では、吸水速乾の「フィールドセンサー秒乾」、遮熱性などの特徴を持つ「ボディシェルEX」、高通気の「ドットエア」などを重点訴求する。25春夏では織物だけでなく、ニットの提案も強化する方針で、強さと軽さを兼ね備える「カルイシ」などをそろえる。

 フィールドセンサー秒乾は、特殊シングルニット構造などで高度な汗処理機能を実現した生地。肌面ドライや軽量感といった特徴を持つほか、薄地から厚地まで幅広いバリエーション展開を可能にしている。カジュアル分野などでも需要が増えていることなどから海外での生産も進める。

 ボディシェルEXは、遮熱性や紫外線遮蔽(しゃへい)性、防透性などを併せ持つ。一般衣料でも引き合いが強く、一層の浸透に期待を込める。ドットエアは独自加工技術で通気孔を発現した生地。販売は順調に推移し、23春夏は22春夏比数量ベースで20~30%増を確保した。