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11月 大手アパレル/中旬からコート稼働/ニットウエアも堅調

2023年12月13日 (水曜日)

 大手アパレルの11月度全店売上高は、売り上げを公表している4社で増収となった。月前半は気温が高く重衣料の動きが鈍かったものの、後半は気温が低下。ウール素材のコートやダウンジャケットが稼働した。一部のブランドはブラックフライデー商戦の販促も奏功している。

 オンワードホールディングスは7・7%増となった。月前半はオンワード樫山を中心にニットウエアなどの中軽衣料が堅調に推移。後半は気温の低下に伴い、防寒アイテムが動いた。OMO(オンラインとオフラインの融合)サービス「クリック&トライ」の利用も引き続き拡大し、売り上げに寄与している。

 ワールドは7%増となった。月中旬以降に冬物商材が高稼働し、ウール素材コートやダウンコート、さらにクリスマス向けの雑貨も売れ筋に浮上している。暖をとるブランケットも動いた。百貨店向けの紳士服ブランド「タケオキクチ」、婦人服「インディヴィ」、ショッピングセンター向けの「オペークドットクリップ」「グローブ」などが既存店売上高を大きく伸ばした。

 TSIホールディングスは0・3%減とほぼ横ばいだった。実店舗は6・2%増と好調な一方、電子商取引(EC)販路が15・5%減と苦戦。EC販路は前月よりもマイナス幅が大きくなっている。また、既存店ベースの実店舗では9・5%増となっている。

 三陽商会は8%増となった。月後半から防寒アイテムが高稼働したほか、設立80周年を記念した全社プロモーションやブランドフェアも奏功した。旺盛なインバウンド消費も下支えし、売り上げを押し上げた。ブランド別に見ると「マッキントッシュ・フィロソフィー」16%増、「ポール・スチュアート」12%増となった。

 バロックジャパンリミテッドは4・8%増となった。同社も月中旬以降から防寒アイテムが高稼働し、既存店、全店ともに前年同月を上回った。EC売り上げは4・1%増と好調で、客数も8・3%増となっている。客単価は3・3%減となった。