繊維ニュース

リリカラ/循環型カーペット発売/仏ターケットの「デッソ」

2023年12月19日 (火曜日)

 リリカラは、ターケット社(フランス)の環境配慮型タイルカーペット「デッソ」の取り扱いを始めた。同社は循環型プロダクトライフリサイクルを確立している欧州最大手の床材製造卸。輸入販売リサイクル・パートナー企業の伊藤忠商事とともに拡販を図る。

 デッソの「フューチュリティ」「アイコニック」「デザートエアマスター」の3シリーズを扱う。これらは、ドイツのEPEA(環境保護促進機関)が行っている、グローバル認証「クレドール・トゥー・クレドール(ゆりかごからゆりかごへ)」のシルバー認証を取得したもの。表面の繊維層に、廃棄漁網や使用済みタイルカーペットを原料としたリサイクルナイロン「エコニール」を使用している。

 ターケット社はエコニールを製造するアクアフィル社(イタリア)と共同で、繊維層とバッキング層を高精度で分解するリサイクルセンターを設立しており、エコニールを再びエコニールへリサイクルしている。これを実現しているタイルカーペットは、現在、デッソだけだという。分離されたバッキングも新たなバッキングの原料となる。

 さらに製造工場のあるオランダの水道会社の浄水過程で発生するチョーク(炭酸カルシウム)をリサイクル材として使用することで、再生材比率は75%以上を誇る。

 フューチュリティは色糸の多色感、アイコニックはカラーバリエーションが豊富な格子柄が特徴で、デザートエアマスターは粉塵(ふんじん)を吸着・保有する空気清浄機能がある。いずれも欧州の色彩感覚が反映された美しいデザインで、オフィスやホテルなどの空間設計にも取り入れやすいという。全40点を展開する。

 発売に先立ち、自社スペースソリューション(SS)事業部の新オフィスに、フューチュリティとアイコニックを施工した。同事業部のように、環境や社会に貢献する循環型オフィス作りを目指す企業、施設に向けデッソの提案を強める。