繊維ニュース

東レ/ボーイングの材料リサイクル/炭素繊維からパソコンに

2023年12月19日 (火曜日)

 東レは、ボーイング787航空機の主翼製造工程で発生する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)端材のリサイクルを加速する。同端材から取り出したリサイクル炭素繊維(rCF)を使った樹脂は、「レノボ」のノートパソコンなどへの再活用を図っていく。レノボとの連携を深め、rCF採用機種を広げる。

 東レの炭素繊維「トレカ」を使ったボーイング航空機用CFRP端材を再利用する。バージンの炭素繊維と比べて低カーボンフットプリント(CFP)の燃焼リサイクル技術によって炭素繊維を取り出し、熱可塑性樹脂の補強材として使用する。rCF強化樹脂は「シンクパッドX1カーボンGen12」に採用された。

 レノボ・ジャパンは「東レ、ボーイング社と協力して次世代シンクパッドX1カーボンにrCF材料を活用することは循環型経済に向けた新たな一歩」とコメント。ボーイング社は「航空機製造工程で発生する端材の再利用が進むにつれ、製品ライフサイクルへの影響はさらに低減される」とした。

 炭素繊維は、リサイクルを行っても主要な力学特性が低下しにくい特徴があり、東レは、繊維のリーディングカンパニーとして率先してリサイクル技術の開発と事業基盤の確立を図る。顧客のCFP改善や埋め立て廃棄物削減による循環型経済促進に向けて積極提案する。