ごえんぼう

2023年12月20日 (水曜日)

 繊維関連企業の社長を取材する機会が多い。雑談に及ぶことも多々あるが、その際に「引き際」の難しさを訴える社長が少なからずいる▼その大半はオーナー社長。息子・娘、あるいは信頼の置けるプロパー社員にトップの座を譲るわけだが、そのタイミングに頭を悩ませるようだ。自身の健康状態が理由になる時もあれば、業績面や周年の節目を交代のタイミングに選ぶ例もある▼タイミングの問題だけでなく、後任の資質について悩むトップも多い。やはり自分の息子や娘は頼りなく見えるようだ。「もう少し経験を積んでから……」と考えるのは親の優しさか、はたまた会社の将来を心配してのものか。いつの時代もトップの悩みは尽きない▼ある全国紙の調査によれば、岸田内閣の支持率は16%まで下がり、不支持率は79%まで上がった。後任の資質がどうであれ、これほど「引き際」に悩まないで済むタイミングはないだろう。