繊維ニュース

かばんの吉田と協業

2023年12月21日 (木曜日)

 東レは、100%植物由来ナイロン繊維「エコディアN510」で、「ポーター」ブランドのバッグを製造・販売する吉田(東京都千代田区)と共創・協業する。

両社の連携によってエコディアN510の量産化とかばん素材に必要なスペックを確立した。同ナイロンを表地に使ったかばんは来春以降に順次販売される。

 エコディアN510は、ヒマ由来のセバシン酸とトウモロコシ由来のペンタメチレンジアミンを重合・紡糸して作る。融点が高く、優れた寸法安定性があり、石油由来のナイロン6と同等の強度と耐熱性を兼ね備える。2022年に事業化を開始して以降、用途開拓を進めてきた。

 吉田は、ポーターの代表シリーズ「タンカー」の全面刷新に当たり、植物由来で実用的でもあるエコディアN510の特徴を生かした商品の開発を志向。東レの紡糸技術などを活用した結果、量産化に成功し、同時にかばん素材として十分な強度と品質をクリアした。

 タンカーの表地に採用しているほか、裏地には回収漁網などを再資源化した東レのケミカルリサイクルナイロンを用いている。両社は取り組みを深め、今後もさまざまな環境配慮型素材・製品の開発を推進する。