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東レと三井海洋開発/FPSOの補修技術開発/米船級協会の承認取得

2023年12月22日 (金曜日)

 東レと三井海洋開発は、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)などに向けた「CFRP(炭素繊維複合材料)パッチ工法」を共同で開発した。最大径300㍉の局所腐食による損傷部への補修法として米国船級協会の承認を取得している。2024年から実適用を開始する。

 FPSOや浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備(FSO)の保守は、会場で石油やガスの生産を継続しながら行われるため、資材と機材搬入が容易で火気工事を伴わない工法が求められる。両社が20年に開発した工法は広範囲の補修に強みを発揮する一方で、局所的な腐食に対する補修で課題を残していた。

 新工法は、先に製作したCFRPパッチ平板を局所腐食の上に接着する方法で、真空ポンプなどの設備が不要なほか、補強材や施工道具の搬入も容易。工事に関わる人数や時間を約半分にすることができる。火気工事も伴わないため、石油やガス生産に与える影響の最小化が期待できる。

 腐食状況に応じて広範囲の補修を強みとする工法(20年開発の現場VaRTM工法)とCFRPパッチ工法を使い分けることで現場のニーズに広く対応する。