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伊藤忠商事繊維カンパニー/商品力向上が次の課題/カジュアル分野強化も

2023年12月26日 (火曜日)

 伊藤忠商事の武内秀人執行役員・繊維カンパニープレジデントは25日、東京本社(港区)で会見を開き、「値上げの動きが進む中、商品そのものの価値に対する見方も厳しくなる。2024年以降は既存ブランドの商品力の向上に注力する必要がある」と今後の方向性を示した。現在は中高級品ブランドを重点分野の一つに設定しているが、24年からはエドウインを中心としたカジュアル分野も強化する方針も述べた。

 武内氏は4月のプレジデント就任以降の取り組みを振り返り、成果として〝ビジネスポートフォリオの見える化〟を挙げた。事業内容を海外・シューズ・中高級品ブランド・カジュアル・OEM・スポーツという領域に整理し、収益性が高い事業運営を目指した。「OEM関連事業をはじめ各領域で収益力が向上し、手応えを感じている」と言う。

 業績面については、4~9月期連結純利益115億円という結果を踏まえ、期初で掲げた「安定的に連結純利益300億円を計上できる体制の基礎を作る」という目標に着実に近づいているとした。

 今後の課題には「投資のスピードアップ」を挙げる。「繊維カンパニーは投資について安全運転を続けていたが、成長曲線を描くには投資に対してアグレッシブな姿勢に変えていかなければならない」と述べた。

 主要なスポーツブランドについては「『デサント』は直営店強化、『アンダーアーマー』はブランド認知度の向上、『コンバース』は商品のブラッシュアップが課題」と説明した。

 海外事業については「このほど販売権を取得したイタリアの『ゲラルディーニ』など、バッグの有名ブランドを通じての販売戦略も推進したい」と語った。