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三菱ケミカルG/社長に筑本氏昇格/石化再編へ検討加速

2023年12月26日 (火曜日)

 三菱ケミカルグループ(G)は22日、来年4月1日付でジョンマーク・ギルソン社長が退任し、筑本学執行役エグゼクティブバイスプレジデントが社長に昇格する人事を発表した(一部既報)。ギルソン氏は石油化学(石化)事業について、分離した上で他社との再編を目指していた。再編に向けた検討を加速するため、石化事業に精通する筑本氏が適任だと判断した。来秋に石化事業の再編を含めた経営戦略を公表する。

 世界的な脱炭素の流れを受け、エチレンなどのプラスチック原料が主力の石化事業は需要が減少している。石化事業を長年担当する筑本氏を社長に据え、再編の立て直しを急ぐ。

 「石化の再編は間違いなく必要だ」。この日、東京都内で開かれた会見で筑本氏はこう指摘した。その上で、「事業を切り離すという発想ではなく、(競合他社と)最適な形でアライアンス(連携)を組み、強い形で独立させることが重要だ」と強調した。

 来秋には具体的な戦略を示す。「まだ議論が尽くされていない。限られた時間の中で関係事業者から意見を聞き、答えを出していく」と意気込み語った。

 ギルソン氏は2021年4月に就任した同社初の外国人社長だが、3年間で交代することになる。